2017.07.25 Tuesday

重症熱性血小板減少症候群(SFTS) 猫から人へ

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    数年前、マダニからヒトへ感染する、重症熱性血小板減少症候群(SFTS)というウイルス性の病気が新たに発見されました。

    主に西日本で感染が認められ、残念なことになくなってしまう方も報告されています。

     

    ダニの媒介により感染する病気は他にもあり、

    草むらに入るときは刺されないよう厳重に素肌をカバーして気をつけることで予防対策がなされてきました。

     

    重症熱性血小板減少症候群(SFTS)の概要は、リンクしておきます。

    国立感染症研究所(https://www.niid.go.jp/niid/ja/sfts/3143-sfts.html

    厚生労働省(http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou19/sfts_qa.html)

     

    上記のリンクにも記載がある通り、SFTSは流行地域において猫や犬でも感染発症している症例の報告があります。

    が、その飼い主や診察した獣医師への感染は認められませんでした。(ヒトからヒトへの感染は報告があります)

     

    そんな中、昨夜、我々獣医師にとってかなりショッキングな事案が飛び交いました。

     

    ーマダニ感染症、猫から感染 女性死亡 「ネコからヒト」初確認ー

    http://www.nikkei.com/article/DGXLASDG24H7H_U7A720C1CR8000/

     

    私の住んでいる神奈川県では、幸いウイルスを持ったマダニや感染した野生動物は確認されていませんが。

    https://n-d-f.com/nomi_madani/sfts/

     

    流行地域で診察を行なっている獣医師の先生方は、かなり深刻ではないでしょうか。

    今までも獣医療に従事していれば感染症のリスクは当然あったものの、

    正直それほど考えてはいませんでしたが、

     

    今日からは、より真剣に考えなくてはいけなくなりました。

     

    近年、大きなムーブメントとなっている殺処分「0」、犬や猫の里親探し、野良猫の保護活動など。

    私も個人的に活動に協力している方々がいます。

    そのような活動をしておられる方々も注意が必要です。

    動物が移動すれば、このような病気も移動します。

     

    猫は室内で飼うこと、犬はノミダニを含む予防をきちんと行うこと。

    飼い主さん自身を守ることにもなりますし、

    飼い主さんの意識の高さが我々獣医師を守ってもらうことにもつながります。

     

    この仕事は、お互いの信頼関係のもとで成り立っています。

    良い関係が築けると、良い仕事につながります。

     

    最近テレビのニュースでは、「獣医師」というワードを聞かない日はありませんが・・・

    もう少し本質を語ってもらいたいものです。

     

    将来、「ダニ予防していない犬猫は診ることができません」なんて日が来るかもしれません。

    今一度、動物を飼うことってどういうことか・・・考えてみてはいかがでしょうか。

     

     

     

     

     

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    2017.06.27 Tuesday

    犬の肝臓腫瘍 手術 完全肝葉切除 

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      今回の話は、12歳になるマルチーズのKちゃん。

      小さい頃から診ている患者さんです。

      (白黒にしてますが、文章後半には手術中の写真も含まれています。)

       

      2年くらい前から、胆泥症の治療のため内服を継続していたのですが・・・

      数ヶ月前におこなった定期検査で、それまで3桁だったALPの値が、4桁に!!

      レントゲン検査とエコー検査により肝臓に腫瘤がある事が判明。

       

      出来た場所は、右側の外・・・(外側右葉か尾状葉が疑われます)

      エコー像は、正常な肝臓と同じく均一で、過形成(良性腫瘍)も疑える所見でした。

       

      ヒトの肝臓とは違い、犬の肝臓は6葉に分かれています。

      左側の外側・内側、中央に方形葉、右側の内側・外側・尾状葉

       

      「左よりも右の方が摘出は難しい。」というのが獣医学の定説。

      じゃあ左が簡単かというと、そんな事ありません。

      右でも左でもそこは肝臓。。。大血管が走行&それ自体が血液の塊のような臓器(腫瘍ならなおさらもろい)です。

      ミスとかいう話じゃなく手術中に大出血すれば、術中死の可能性だって大げさな話じゃありません。

       

      そんな状態なのに実際には、Kちゃんはいたって元気(肝臓腫瘍とはそんなものなのかもしれません)。

      しかも右側。

      大学病院の肝臓を得意とする外科の先生とくらべれば、私の経験など微々たるもの。

      過形成の肝臓に手を出して、大出血なんて事も頭をよぎり、正直および腰・・・

      飼い主さんともお互いに腹を割った話し合いを続けながら、しばらく様子をみていました。

       

      が・・・

      あんなによく食べていたKちゃんなのに、ある日を境にご飯を残すようになってきました。

      飼い主さんは、「なんか食べたいのに、食べれないみたい」と教えてくれます。

       

      うーん?!?!

      たしかにこの数ヶ月間、徐々に大きくなっていった腫瘤。

      検査をしてみると・・・

      大きくなった右肝臓の腫瘍が、胃と十二指腸を左側に押しやっています。

      これでは、胃も膨らみませんし、ご飯も残してしまいます。

       

      こうなると、仮に過形成といえども外科的な切除が望まれます。

       

      飼い主さんは「専門医じゃなく、先生に託します」といってくれます。

      みんなで腹を決めて、いざ手術。

       

      「でかい!!」

      想像はしていましたが、やっぱりでかい。0口0

      しかも1つの塊が横隔膜側の根本まで続いています。

      「こりゃあ、過形成じゃないな」一緒にやってる先生と顔を見合わせます。

       

      これを摘出するにはとにかく、腫瘍の背側に指が入らないと始まりません。

      ぐいっと!!

      入りましたが、腫瘍から出血も始まりました。

      これだから、肝臓の腫瘍は嫌です。_| ̄|○

       

      こうなれば、躊躇せずに一気に根本までアプローチ。

      肝臓に流入している大血管を糸で縛って!!!!!

       

      出血も止まりました汗

       

      みんなで、ほっと・・・「よかったァ」

      あとは、少しのりしろがあった肝臓実質を特殊な機械で切断。

      完璧に摘出できました。(正直ラッキーだった要素もありました)

       

      術後は、輸血して、炎症を抑えて、ダメージからの回復を待ちます。

      結構な貧血状態になりましたが、Kちゃんは翌日から食べ始め(ヒトなら考えられません)。

      みんなで一安心。

      3日目には貧血も改善し始めて、その後退院となりました。

       

      気になる病理結果は・・・「肝胆管癌」

      見た目通り、悪者でした。(エコーだけではやっぱり見分けがつきません)

      もう少し大きくなったら、出血も起こしたかもしれません。

      今後も経過観察が必要ですが、

      転移病巣もなく、摘出も上手くいったので、予後は期待できます。

       

      Kちゃん。小さい身体でよく頑張ってくれました。

       

      とはいえ、託された獣医師としては(私の事ですが)・・・

      術前のプレッシャー・術中の修羅場・術後のドキドキ

      経験を積まないといけない事もわかっていますし、やってみてわかる事もいっぱいありますが・・・

       

      今年に入って2件目の肝臓腫瘍摘出(前回は術前からお腹中血だらけ、待った無しの症例でした)

      当分、肝臓は結構です。

       

      おおくぼ動物病院 www.okubo-vet.com

       

       

       

       

       

       

      2017.06.02 Friday

      フィラリア検査やってます

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        フィラリアの検査行っています。

        お済みでない方は、お越し下さい。

         

        当院では、

        フィラリアのみの予防薬(ミルベマイシン)と

        フィラリア・ノミ・ダニの予防薬(ネクスガードスペクトラ)

        のどちらかをお選びいただけます。

         

        健康診断も兼ねた血液検査をご希望の方は、来院時にお申し付けください。

         

        おおくぼ動物病院 www.okubo-vet.com

        2017.05.30 Tuesday

        シンボルツリー

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          5月のこの時期、フィラリアの検査だけやっていれば言い訳ではありません。

          いつもと変わらず、病気も来院します。従って、入院の子もいますし、手術もします。。。。

          勉強会もあります、飲み会もあります。

          もう、死んじゃいそうです。

           

          忙しすぎて、病気の事は書きたくないので、今回は余談中の余談みたいな話になります。

           

          病院の北側には、シンボルツリーみたいな感じで鉢に植えた樹木を飾っていました。

          前回植えていたのは、ドドネア。その前もドドネア。

           

          テナントにいた頃には、アカシアも2本。

           

          病院の北側は、ただでさえ風の通り道になっており、加えて地面も若干傾斜しています。

          先代のドドネアは、台風の大嵐によって鉢ごと大破!!!無惨な姿で朝を迎えていました。

           

          そして、2代目のドドネア。

          つい最近、コガネムシの幼虫とみられる奴らにやられ、見事に枯れました。

           

          こうなってくると、どうにかしたくなります。

          そこで、近所の植木屋さんに相談。

          「こんな場所なんだけど、どうにかなりませんか?」

           

          意外とあっさり、「いけますよ!!タイルはつって地植え。」って植木屋さん。

          「えー、じゃあやります!!季節感が出る樹木が良いです」と希望を伝え。

          選んでもらったのが

           

          フェイジョア(参考までに http://tropikalfruit.net/plantguide/feijoa.html

           

           

          夏には赤い花が咲き、2本無いとダメだと思うのですが実もなるようです。

          楽しみ!!!

          順調に育ってくれる事を祈ります。

           

          おおくぼ動物病院 

           

           

           

           

           

           

          2017.04.27 Thursday

          猫の尿管閉塞 SUBシステムって・・・

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            今年に入って、

            獣医師会の集まりなどで懐かしい同級生や先輩方、近隣の先生方ともお会いする機会がグッと増え。

             

            「泌尿器やってるんでしょ!!なんかあったら頼んでいい?」

             

            「もちろん僕で良ければ、精一杯やらせていただきます矢印上

            なんてやり取りが頻繁に行われるようになり。

             

            すこし勉強している先生方は・・・

            「SUBシステムなんかもやるの?」と

            かなり積極的な治療法にも興味津々。

             

            懇親会などのお酒の席では、あまり詳しく詰めた話も出来ませんので、

            後日、症例を紹介してもらい見学に来られる先生には、私なりの考察をお話しさせていただき、

            1次診療の臨床家同士でディスカッション。

            泌尿器に関わらず、かなり込み入った会話をさせてもらっています。

             

            そんな、SUBシステム。。。

            (以前ブログに掲載したものですhttp://okubo-vet.jugem.jp/?eid=865564

            何十例なんて多い数ではありませんが、当院でも使用している子がいます。

             

            そんな子達のほとんどを今も自分自身で管理させてもらい

            わかってきたのは・・・

             

            「やっぱり入れないで済むのであれば、入れない方が絶対に良い」ということです。

             

            「なるべく尿管切開や尿管転植により解決させる。人工物は最終手段。」

            基本的に最初からこの理念の元で治療を行っているので、入れざる負えない症例にしか使用していません。

            わかりやすく言い換えれば、SUBシステムを使用しなければ助けられない症例のみに使用しています。

             

            他の先生のところではどうかわかりませんが、そんな状況の中でも、

            程度の差はあるものの全症例で設置後になんらかの問題が起っています。

             

            慢性的な血尿、異物への生体反応、細菌感染などなど・・・

             

            ウチの病院の場合、飼い主さんには設置後に予想できる有害事象の説明はもちろん、

            なんでSUBを使用しないとダメなのかを徹底的に話し合い理解してもらっています。が・・・

            それでも、何か起きると飼い主さんと一緒になって悩み、落としどころを探します。

             

            「その場の救命」が最優先事項であるため、ある程度は仕方が無い事ですし、

            助けられるようになった症例が増えたことも事実です。

            デバイスの使用・・・なかなか難しい選択です。

             

            要は、病気がなくなってくれれば一番良いのですが。

            そうはいきません。

            ただし、何でもかんでもSUBシステムというのは、ちょっとどうかと思います。

             

             

            おおくぼ動物病院 www.okubo-vet.com

             

             

             

             

             

             

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