2018.10.29 Monday

犬の口腔内腫瘍の手術 悪者と良いものだけど・・・ 下顎部分切除術

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    犬の口腔内にできる腫瘍には、大きく2つ悪者と良い者があります(当たり前か)。

     

    悪者の代表が、悪性メラノーマ(悪性黒色腫)や扁平上皮癌。

    良い者は、エプリスなどの良性の腫瘍。

     

    ほとんどの子たちは、飼い主さん自身で発見し

    「先生、口の中に出来物があるんですけど」と言って来院されます。

     

    ここまでは時々ある診察の会話。

    そんな「先生、こんなのが・・・」症例がここ3ヶ月、毎月1症例ずつ来院。

     

    はじめに来たのは、ずっと診ているキャバリアのEちゃん。

     

    こんなのができちゃってます。

    左の下顎犬歯を囲むように赤く膨らんでいる腫瘍。

    組織検査の結果、悪性メラノーマ。

     

    とにかくとるしかありません、が、今回は下顎。

    上顎と違って、下顎の場合はおもいっきり顎の骨ごといきます。(下顎部分切除)

    幸い、骨まで浸潤していないことも確認できたので、部分切除でOK。

    骨の標本でいうとこんな具合です。

    赤の線で完全に切除(切断)します。

     

    飼い主さんからすると、相手は悪性腫瘍ですから、治療の大変さはもちろん分かってはいても、

    このような手術を受けなくてはいけないことにもちろんショックですし、

    さらには、術後の容姿の変化も気になると思います。

     

    そんな術前の説明は、

    「一部出血を伴う箇所があるので、止血を確認してして術後の再出血の観察も行います」

    「痛みに関しては、しっかりとした痛み止めを使って行います。でも犬は意外と平気そうで、すぐに食べ始めますよ」

    「容姿に関しても、この手術であればぱっと見はわからないと思いますし、私もうまいこと縫います」

     

    っとこんな感じ(実際にはちゃんと時間かけます)。手術も1時間か1時間半くらい。

    出血のコントロールもしっかりできて、Eちゃんもすぐに食べ始めました。

     

    次に来た子が、ダックスのSちゃん。

    数年前に膀胱が突出した会陰ヘルニアの手術を当院で行い、隣の市から久しぶりの来院。

    飼い主さんとも「あ!!お久しぶりです!その後お尻はどうですか?」なんて会話もそこそこに、

    「実は、先生。こんなものができちゃって・・・」

     

    これも、組織検査で悪性メラノーマ。下顎部分切除で対応。

    続くときは、続くもんだな。なんて、スタッフみんなで話していると

     

    今度は、さらに隣の隣の市からいつも来院している、Wちゃん。

    「先生〜、なんかできてる!!」

    って、続きすぎだろ。

    メラノーマかな??やだな。なんて組織検査してみると、今度はエナメル上皮腫。

     

    エナメル上皮腫は、良性の腫瘍です(ここまでは一安心)。

    が、骨を溶かして進行して行くので、腫瘍だけちょんと切っただけではダメ。

    良性腫瘍ではあるけれども、やっぱり下顎部分切除で対応します(メラノーマよりは範囲は若干小さめ)

     

    悪性と良性、やることは一緒の下顎部分切除。

    みんな術後の経過は順調。悪性腫瘍の子達も、しっかりとマージン確保。

     

    心配された容姿についても。

     

     

    大きな変化はありません。唇をめくればわかる?めくっても言われないとわからないかもしれません。

    要するに、そんな程度に治ります。

     

    悪性腫瘍の場合は、大きくとるためにこのような手術を行わざる得ませんが、

    良性に分類される腫瘍でも、物によっては大きな手術が必要となります。

     

    3連チャンなんて機会は、もう結構です。

    が、その甲斐あって私自身も大変勉強になりました。

     

    おおくぼ動物病院 www.okubo-vet.com

     

     

     

    2018.09.29 Saturday

    休んできました

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      先週は、年に一度の休暇をいただきリフレッシュ。

       

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      毎年恒例となりつつありますが、夏を求め南の島へ。

      台風も、気を使ってくれたみたいで、連日快晴!

       

      子供たちもまだ小さいので、美味しいものより、素敵な景色より、

       

      プールと海!!

       

      これさえあれば、何も文句が出ません。

       

      まあ、私も茅ヶ崎に住んでるくらいですから、水遊びは大好き。

      みんなの意見が一致します。

       

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      泊まったホテルの近所には、地元の料理とお酒がいただける最高の居酒屋も発見。

       

      そのつもりはなかったのですが、あの有名な歌姫の引退と重なったりして(花火は遠くからみてきました)

       

      休み中は何事もなかったようでほとんど電話も鳴らず。

      「うちの子たちは、なんていい子たちなんだ」と感謝。携帯電話を枕元に置かない生活を満喫!!

       

      家族も楽しんでくれて、今年も思い出いっぱいの旅となりました。

       

      戻ってきた途端、待ってましたとばかり病気の子達が重なっていますが。

      大丈夫、頑張ります。頑張れます。

       

      おおくぼ動物病院 www.okubo-vet.com

       

       

       

       

       

       

      2018.09.10 Monday

      お知らせとご報告

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        昨日(9月9日)は、学会発表のため、つくばまで行ってきました。

        片道2時間ちょい。

         

        遠い道のりでしたが、茨城で開業している先輩方、後輩、横浜の昔からお世話になっている先生、

        懇意にしている専門医の先生方。

         

        久しぶりにお会いできて、お話しさせてもらい楽しいひと時でした。

        発表の結果は、予想どうり関東大会止まり。こんなもんです。

         

         

        さて、話は変わり、年に一度のリフレッシュ休暇をいただきます。
        9月15日(土)〜19日(水)休診となります。
        急患の対応は近隣の先生にお任せするか、可能な症例であればお留守番先生が診ます。電話して下さい。

        何も起こらないことを祈ります。

         

         

        おおくぼ動物病院

         

        2018.08.31 Friday

        日本獣医腎泌尿器学会へ出席してきました

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          8月19日、病院はお休みさせていただき毎年恒例の日本獣医腎泌尿器学会へ出席してきました。

          品川で開催。電車1本で行けるので助かります。

           

          この学会(どの学会もそうですが)、各大学などの有名な先生が一堂に会します。

          そんなところに毎年通って思うことは、「まあ皆さんよく知ってる」

          当たり前ですが、病気のこと体のこと本当によく知ってる。

           

          私も追いつこうと日々勉強していますが・・・刺激になります。

           

          さらには、畑は違うのですが、国立大学の基礎研究を行ってる先生方。

          頭の出来が違いすぎて話の最中に気が遠のきそうになりますが、必死で食らいついてなんとか、なんとか少しは理解。

           

          1次診療といえども、専門的なこともかじってる以上、生涯精進が続きます。

           

          さて、そんな刺激的な1日をおくれる学会の今年のテーマは、「腎臓泌尿器疾患の診断と治療」

          学会としては、今後ガイドラインの作成に向けて動き出すようです。

           

          海外では、病気に対する診断・治療ガイドラインというものが存在し、年単位で手が加えられ日々更新しています。

          我々もこのような海外の情報を手に入れて、日々の診療に役立てているのですが。

           

          海外での飼育環境や動物種は日本と違うこともあり、日本版のガイドラインができることは喜ばしいことです。

          誰でも手に入る指針みたいなのもがあれば、獣医診療の全体的な底上げにもつながり、

          飼い主さんとペットがどこの病院でも一定以上の診療を受けられるようにもなります。

           

          専門的な診療を行う病院も年々増えてきています。

          これからの獣医療が良い方向に進んでくれることが、獣医師・飼い主・動物にとって大事なことかと思います。

           

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          2018.07.28 Saturday

          犬の子宮蓄膿症ってやっぱり怖い!!

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            メス犬に起こるポピュラーな病気として、子宮蓄膿症があります。

            中年以降の避妊手術(卵巣摘出)をしていない子によくみられます。

            私の経験では、4歳という若さで発症した子もいました。

             

            卵巣のホルモンの異常により、子宮内に感染が起こり膿が溜まってしまう病気で、

            全身の強い炎症を伴います。

             

            緊急性を要求され、手術により病気になった子宮と卵巣の摘出を行います。

            摘出して終われればいいのですが、全身に広がった炎症により、

            二次的な血液凝固異常などが起こることもあり、術後は徹底的な内科管理が必要です。

             

            私は幸い経験はないのですが、術後に亡くなってしまう子もいるようです。

             

            そんな子宮蓄膿症。

            今回は、他の病院からの頼まれ仕事で手術のみ請け負いました。

             

            主治医の先生とともに来院したその子を診てみると、

            外陰部からドバドバ排膿しているので、誰がみても子宮蓄膿症。

            念のため手術直前にエコーを当てて、本当に子宮蓄膿症なのか確かめて・・・

            間違いありません。

             

            すでに準備は整っているので、そのまま麻酔をかけて、開腹。

            大きく膨れ上がった子宮が顔を出します。

            ここまでは、いつもの子宮蓄膿症と一緒。

             

            あれ?!

            臓器をそっとかき分けると・・・濁った腹水が!!!

            「この腹水、やばい。子宮破けたな。」

            っと嫌な汗・・・

             

            四の五の言ってる場合ではないので、とにかく摘出。

            血圧も低下気味(薬で調整)。

            当然、腹膜炎の併発が予想されるので、腹腔内洗浄。

            アクティブドレーンも設置して・・・閉腹。

             

            手術は無事に1時間ちょっとで終了しましが、これは後の内科管理が大変そう。

            引き継ぐ先生には、緊急薬もすべて渡して逐一連絡を取り合うこととしました。

             

            数日後、術中にサンプリングした腹水と子宮内の膿の細菌培養検査結果が届くと。

            やっぱり!!

             

            腹水と子宮内の膿の細菌が同じです。破けていた(おそらく穿孔ですが)証拠です。

             

            今まで数多くの子宮蓄膿症を診てきましたけど、破けるなんて!!

            「そんなこともあるのだろう」と想像はしていましたが、初めての経験です。

             

            そんな重体だった当のワンちゃんは、こちらの心配を他所に、翌日から食欲も出て。

            ドレーンからの廃液も日増しに減少。

            経過は良好のようで、もう少しで退院ですとの報告を受けました。

            よかった!!犬って本当に強い。

             

            とは言え、

            いやー、「子宮蓄膿症」やっぱり怖い病気です。

             

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