2019.11.01 Friday

画像診断を組み合わせた健康診断の重要性

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    当院で以前から行っている健康診断。

     

    わんちゃんの場合は、

    フィラリアの検査と一緒に血液検査。

    猫ちゃんの場合は、

    冬の健診キャンペーンで血液検査と尿検査。

     

    ここ数年で、

    健診を受けていただく方もずいぶん増えて。

    病気の早期発見につながることも少なくないのですが。

     

    それでも時々、偶発的に病気を見つけてしまうこともあります。

    その多くは、たまたま撮ったレントゲンや

    「チラッと見ときましょうか?」

    と言って当てたエコー。

     

    血液検査だけではわからない病気が隠れていることがあります。

     

    うちの病院のあるあるですが。

    一番は結石。特に腎結石。

     

    膀胱に結石があった場合は、

    多くの子が血尿や頻尿などの症状を訴えるので症状から辿れば見つけやすいのですが。

    腎結石の場合はそうはいきません。尿管に詰まらない限り症状はまずでてきません。

     

    「詰まる前に見つけておく」

    これ結構大事なことです。

    詰まってしまい水腎症になっていても、片側の腎臓がバッチリ機能していれば症状が出ないこともあります。

    (ブログ読んでいただいてるみなさんはもう知ってますよね^_^ )

     

    中には、里親でもらってきた子たちが、

    避妊・去勢手術の影響で尿管が塞がって水腎症なんてことも。

     

    実際、重症になってから診ることが圧倒的に多いので。

    正直言って「もっと前に分かっておきたい」っていうのが本音です。

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    わんちゃんも、猫ちゃんも結石だらけ。

    画像ではわかりずらいですが、

    腎臓にも、膀胱にも、結石だらけ。

    尿管にすでに詰まっているなんて子も。

     

    わかっていれば、事前に行える検査も増えますし、腎障害になってからでは一手間も二手間もかけないといけなくなってしまいます。

     

     

    その他には、腫瘍を疑う変化。

    特に脾臓はエコー当てないと分かりません。

    今のエコー機械はものすごく良くなったので、1cm台の変化もみつけられます。

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    健診でみつかったら?

     

    小さい病変なら経過観察して、定期検査。

    大きくなってくるなら脾臓摘出になります。

    良性の変化もありますが、凶悪な腫瘍の出来るポピュラーな臓器。

    少しでも早く見つけられれば、多少は違うかも?!

    今年の夏前にはこの腫瘍が重なったので…

    せめてもの抵抗。

     

    いずれにせよ、健康診断を受けて何も問題ないことを確認するもの、安心につながります。

    もちろん、ここまでやってもわからないこともありますが、

    健康な時に、どんな感じになっていたか?

    情報があると変化があった時の比較対象になります。

     

     

    病院に新しくパンフレットも作っておきました。

    我が家のニコル(犬)とリトル(猫)をモデルに採用。

    手作り感満載ですが、ぜひ手にとってご覧ください。

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    2019.08.30 Friday

    犬の出産 帝王切開

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      この仕事をしていて、一番楽しいのは。

      上手くいった時の出産^_^

       

      いつも病気ばかり対応してるので、命の誕生はみんなが幸せな気分になれる最高の瞬間です。

       

      しょっちゅう妊娠出産があれば、幸せ倍増なのですが、昔と違って、普通の家庭で犬や猫を交配し出産させることはめっきり少なくなり。

      うちの病院でも出産(帝王切開)をやったのは

      随分前の記憶です。

       

      個人的に、犬の尻尾も耳も切りたくないので、出産を迎える飼い主さんには、

      「尻尾長いままでいいですか?」

      ってまず最初の確認事項。

      そのため、うちの近所には尻尾の長いイングリッシュコッカーが散歩しています。

       

      そんな犬の出産。

      今回は、地域の獣医師会の先生からの相談で始まりました。

      「今ウチに妊娠してる犬がいるんだけど…」

      「もし帝王切開になったら、対応しきれるかわからないから、お願いしていいかな?」

       

      「もちろん、いいですよ!」

      と返事をし、診察を兼ねて飼い主さんがお母さん犬を連れて来院。

       

      犬の出産は、基本的に自宅で行ってもらいます。へその緒の処理なども飼い主さんの仕事となり、事前にレクチャー。

       

      当日我々は、病院で電話待ち。

      「先生!1匹目出ました!」

      「2匹目出そう!!」

      といった感じになります。

       

      じゃあ、獣医師の出番はというと。

      難産です、帝王切開の対応。

       

      出産が始まる前には、体温がグッと下がります。下がって持続したら24時間以内に始まります。そこで出ないとなると、帝王切開。

       

      帝王切開は、基本的には母体救助が最優先。

      飼い主さんにも十分に理解してもらいます。

      そうは言ってもほとんどの場合は、仔犬達も助けられますが、過去には助けられなかった経験もあります。

       

      「犬は安産」なんて言いますが、ペットの犬は…別物。(個人的な感想です)

       

      今回のSちゃんも、元々2匹しかお腹に入っておらず、出産徴候はあるのですが、分娩に進まず。結局、帝王切開手術となりました。

       

      帝王切開の何が大変?

      なんでかかりつけの先生は、ウチに任せたのか?みなさんは、疑問かもしれませんが。

       

      何しろ大人数で待機。

      できれば仔犬1匹に対して一人ずつ担当できるのがベスト。蘇生させるには看護師たちの経験とテクニックも必要です。

      麻酔係から蘇生係から外回りの人数が、いつもの手術以上に必要となります。

       

      まあそんな緊急の帝王切開も無事に終了。

      元気な可愛い仔犬達が誕生しました!

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      初乳も飲ませて!!

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      うまく飲んでくれています!!!

       

      なんとも、幸せな時間。

      うちのスタッフも新人勢は帝王切開の経験がなかったので、大変勉強になりました。

       

      不思議なことに、来週も1件出産となる予定。

      重なるときは、重なります。

      次回も無事に生まれることを祈ります。

       

      おおくぼ動物病院 www.okubo-vet.com

      2019.01.30 Wednesday

      老犬との暮らし 介護

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        最近は飼ってる環境も良くなって、与えるご飯も良くなって。

        ワンちゃんも15歳、16歳。

        更にはそれ以上。

         

        平均すれば12-13年が寿命というのは今でも変わらないと思いますが、

        昔と違って長生きしてくれることが本当に多くなりました。

         

        ただ、それは病気との付き合いも少なからず始まります。

        今週も16歳の子2件の腫瘍切除手術(下顎部分切除と乳腺腫瘍)が予定されており、ここ数年12歳以上の子たちの手術をする事がグッと増えてきています。

         

        くわえて問題になってくることが、痴呆や寝たきりなどによる介護。

        獣医になって20年以上。今までも多くの介護の子と飼い主さんに付き合ってきました。

         

        昼間のうちはぐっすり眠って、夜になるとワンワン鳴き叫ぶ。

        オシッコやウンチなどの排泄がうまくいかない。

        部屋中徘徊して、部屋の角でバックできずじっとしてる。

        抱っこしてないと落ち着かない。

         

        などなど…

         

        飼い主さんはどうしたら良いのか分からなくなり、相談にいらっしゃいます。

         

        そんな時最初に伝えることは、

         

        「介護する時、ワンちゃんの100%の希望を叶えてあげようなんて、頑張らなくて良いですよ、60%位でいいと思います(^-^)」

         

        「それをずっとやってあげられる人ならもちろん素晴らしいことですけど、私も含めてそんなことしてたら保ちませんから」

         

        「介護してる飼い主さんが倒れたら、みんなが不幸せになっちゃいますからね」

         

        経験的にも飼い主さんたちは、もの凄く頑張ってしまいます。

        「こうしたらダメなんじゃないか」

        「こんな事するのはこの子の為に可哀想なんじゃないか」って…

        長年連れ添った大事なワンちゃんに対してそのように思うことはごく当たり前で、正しい事だと思います。

         

        が、我々も人間。厳しい長い日々が続くと、ふっと魔が差して「終わってくれないかな」と思ってしまう事も事実。とても悲しいことです。

         

        必要のない辛い思いは極力無くしてあげたいですし、なんとか、少しでも楽しい介護生活をおくってもらう為に、一緒になって考えます。

         

        そんな老犬との生活。

        先日、ご自身も20歳までワンちゃんを育てた経験を持つ当院の飼い主さんが、編集執筆を行った本が出版され、プレゼントしていただきました。

         

        ちなみに、私が直接飼い主さんと話したことや病院エントラスの写真など。ちょっぴり掲載していただいてます。

        待合室に置いておきますので、ご興味があればご覧下さい。

         

        病院も16年目、開院当初仔犬だった子たちもだいぶ天国に旅立ち寂しくなった傍ら、新しい仔犬達も来てくれて。ウチにも2代目の子が来て。

        病気のことは勿論、「犬との暮らし」をサポートしていく日々が続きます。

        色々な悩み、獣医師や病院スタッフに気軽に相談してください。ご紹介した本などにもヒントがあるかもしれません。

         

        犬に限らず、「動物との暮らし」楽しみましょう!!

         

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        2018.10.29 Monday

        犬の口腔内腫瘍の手術 悪者と良いものだけど・・・ 下顎部分切除術

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          犬の口腔内にできる腫瘍には、大きく2つ悪者と良い者があります(当たり前か)。

           

          悪者の代表が、悪性メラノーマ(悪性黒色腫)や扁平上皮癌。

          良い者は、エプリスなどの良性の腫瘍。

           

          ほとんどの子たちは、飼い主さん自身で発見し

          「先生、口の中に出来物があるんですけど」と言って来院されます。

           

          ここまでは時々ある診察の会話。

          そんな「先生、こんなのが・・・」症例がここ3ヶ月、毎月1症例ずつ来院。

           

          はじめに来たのは、ずっと診ているキャバリアのEちゃん。

           

          こんなのができちゃってます。

          左の下顎犬歯を囲むように赤く膨らんでいる腫瘍。

          組織検査の結果、悪性メラノーマ。

           

          とにかくとるしかありません、が、今回は下顎。

          上顎と違って、下顎の場合はおもいっきり顎の骨ごといきます。(下顎部分切除)

          幸い、骨まで浸潤していないことも確認できたので、部分切除でOK。

          骨の標本でいうとこんな具合です。

          赤の線で完全に切除(切断)します。

           

          飼い主さんからすると、相手は悪性腫瘍ですから、治療の大変さはもちろん分かってはいても、

          このような手術を受けなくてはいけないことにもちろんショックですし、

          さらには、術後の容姿の変化も気になると思います。

           

          そんな術前の説明は、

          「一部出血を伴う箇所があるので、止血を確認して術後の再出血の観察も行います」

          「痛みに関しては、しっかりとした痛み止めを使って行います。でも犬は意外と平気そうで、すぐに食べ始めますよ」

          「容姿に関しても、この手術であればぱっと見はわからないと思いますし、私もうまいこと縫います」

           

          っとこんな感じ(実際にはちゃんと時間かけます)。手術も1時間か1時間半くらい。

          出血のコントロールもしっかりできて、Eちゃんもすぐに食べ始めました。

           

          次に来た子が、ダックスのSちゃん。

          数年前に膀胱が突出した会陰ヘルニアの手術を当院で行い、隣の市から久しぶりの来院。

          飼い主さんとも「あ!!お久しぶりです!その後お尻はどうですか?」なんて会話もそこそこに、

          「実は、先生。こんなものができちゃって・・・」

           

          これも、組織検査で悪性メラノーマ。下顎部分切除で対応。

          続くときは、続くもんだな。なんて、スタッフみんなで話していると

           

          今度は、さらに隣の隣の市からいつも来院している、Wちゃん。

          「先生〜、なんかできてる!!」

          って、続きすぎだろ。

          メラノーマかな??やだな。なんて組織検査してみると、今度はエナメル上皮腫。

           

          エナメル上皮腫は、良性の腫瘍です(ここまでは一安心)。

          が、骨を溶かして進行して行くので、腫瘍だけちょんと切っただけではダメ。

          良性腫瘍ではあるけれども、やっぱり下顎部分切除で対応します(メラノーマよりは範囲は若干小さめ)

           

          悪性と良性、やることは一緒の下顎部分切除。

          みんな術後の経過は順調。悪性腫瘍の子達も、しっかりとマージン確保。

           

          心配された容姿についても。

           

           

          大きな変化はありません。唇をめくればわかる?めくっても言われないとわからないかもしれません。

          要するに、そんな程度に治ります。

           

          悪性腫瘍の場合は、大きくとるためにこのような手術を行わざる得ませんが、

          良性に分類される腫瘍でも、物によっては大きな手術が必要となります。

           

          3連チャンなんて機会は、もう結構です。

          が、その甲斐あって私自身も大変勉強になりました。

           

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          2018.07.28 Saturday

          犬の子宮蓄膿症ってやっぱり怖い!!

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            メス犬に起こるポピュラーな病気として、子宮蓄膿症があります。

            中年以降の避妊手術(卵巣摘出)をしていない子によくみられます。

            私の経験では、4歳という若さで発症した子もいました。

             

            卵巣のホルモンの異常により、子宮内に感染が起こり膿が溜まってしまう病気で、

            全身の強い炎症を伴います。

             

            緊急性を要求され、手術により病気になった子宮と卵巣の摘出を行います。

            摘出して終われればいいのですが、全身に広がった炎症により、

            二次的な血液凝固異常などが起こることもあり、術後は徹底的な内科管理が必要です。

             

            私は幸い経験はないのですが、術後に亡くなってしまう子もいるようです。

             

            そんな子宮蓄膿症。

            今回は、他の病院からの頼まれ仕事で手術のみ請け負いました。

             

            主治医の先生とともに来院したその子を診てみると、

            外陰部からドバドバ排膿しているので、誰がみても子宮蓄膿症。

            念のため手術直前にエコーを当てて、本当に子宮蓄膿症なのか確かめて・・・

            間違いありません。

             

            すでに準備は整っているので、そのまま麻酔をかけて、開腹。

            大きく膨れ上がった子宮が顔を出します。

            ここまでは、いつもの子宮蓄膿症と一緒。

             

            あれ?!

            臓器をそっとかき分けると・・・濁った腹水が!!!

            「この腹水、やばい。子宮破けたな。」

            っと嫌な汗・・・

             

            四の五の言ってる場合ではないので、とにかく摘出。

            血圧も低下気味(薬で調整)。

            当然、腹膜炎の併発が予想されるので、腹腔内洗浄。

            アクティブドレーンも設置して・・・閉腹。

             

            手術は無事に1時間ちょっとで終了しましが、これは後の内科管理が大変そう。

            引き継ぐ先生には、緊急薬もすべて渡して逐一連絡を取り合うこととしました。

             

            数日後、術中にサンプリングした腹水と子宮内の膿の細菌培養検査結果が届くと。

            やっぱり!!

             

            腹水と子宮内の膿の細菌が同じです。破けていた(おそらく穿孔ですが)証拠です。

             

            今まで数多くの子宮蓄膿症を診てきましたけど、破けるなんて!!

            「そんなこともあるのだろう」と想像はしていましたが、初めての経験です。

             

            そんな重体だった当のワンちゃんは、こちらの心配を他所に、翌日から食欲も出て。

            ドレーンからの廃液も日増しに減少。

            経過は良好のようで、もう少しで退院ですとの報告を受けました。

            よかった!!犬って本当に強い。

             

            とは言え、

            いやー、「子宮蓄膿症」やっぱり怖い病気です。

             

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            2017.10.28 Saturday

            犬 口腔内悪性メラノーマ 上顎部分切除(手術)その後の経過

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              今回は、以前ブログに書いた口腔内メラノーマを発症したMちゃんの術後経過報告です。

              (以前のブログはこちら:http://okubo-vet.jugem.jp/?eid=865569

               

               

              口腔内メラノーマ(悪性黒色腫)

              飼い主の皆さんも聞いたことがあるかもしれません、犬の口腔内にできる悪性腫瘍として有名です。

              何が有名かというと・・・そう、大変悪いんです。

               

              転移性も高く、再発率も高い厄介な腫瘍です。

               

              っと、メラノーマの予備知識はこのくらいにして。

               

              いきなり結果報告ですひらめきひらめきひらめき

               

              あれから、1年半近く経過した現在ぃ〜。

              じゃーん!!Mちゃん絶好調!!

              再発もなく、当然リンパ節や肺への転移も確認できません。

              大変うまくいってます!

               

              腫瘍発見当初に明らかな転移がなかったこと、

              腫瘍自体も<2cm、

              積極的な外科手術による局所制御

               

              その後も、消炎剤と抗がん剤を使用。

               

              抗がん剤もだいぶ長く使っていくと白血球の戻りが悪くなったので(骨髄抑制)中止。

              現在は、がんをおとなしくさせるようなタイプの抗がん剤を試験的に使用し、

              幸い大きな副作用もなく順調な経過となっています。

               

              Mちゃんも16歳

              抗がん剤のやめ時が難しいですが、

              飼い主さんも「副作用もないので、続けます」と積極的。

              (実際のところ、メラノーマに絶対効く抗がん剤はありません。)

               

              条件が整っていたメラノーマだったと言われればそのとうりですが、

              すこぶる元気で、飼い主さん共々頑張って治療した甲斐がありました手

               

              今後も治療は継続の予定。なんとか術後2年目指して頑張ってほしいものです。

               

               

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              2016.06.26 Sunday

              口腔内腫瘍 悪性メラノーマ 上顎部分切除(手術)

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                ワンちゃんの口の中、特に歯肉などに腫瘍ができることがあります。

                 

                歯周炎などの慢性炎症から発生するエプリスと言った良性腫瘍もありますが、

                たちの悪い悪性腫瘍も存在します。

                 

                「悪性メラノーマ/悪性黒色種」

                 

                これ、とんでもなく手強い腫瘍です。

                転移性も早く、局所の増大傾向も早く・・・

                昔より成績は上がっていますが、

                「どうにか1年もたせる」そう言ったレベルの悪性腫瘍です。

                 

                今回は14歳になるダックスのMちゃん。

                ある日の診察で、「この前から歯肉に膨らみがあるんです」と飼い主さん。

                 

                「えッ」悪い予感を抱えながら唇をめくってみると・・・ありました。

                まだ1cmくらいの大きさですがしっかりとした腫瘤が存在します。

                 

                 

                う〜〜ん、見た目からしてメラノーマ・・・

                迷っていてもどうしようもないので、

                まずは針生検(最小限の刺激で診断できればベストです)・・・細胞が上手く採れませんショボン

                 

                仕方がない・・・端っこをちょんと切って確定診断のために病理検査へ。

                 

                っとその前に、ペタペタとスタンプ。

                染色をしてみると「やっぱりガーンネコ

                細胞は比較的おとなしい顔つきですが、メラノーマが強く疑われます。

                その後の病理検査結果でも悪性メラノーマと診断されました。

                 

                そうと分かれば、

                まずはMちゃんの体をくまなく検査します。

                幸い、明らかな転移の兆候は診られません。

                全身状態も良好。(基礎疾患はありません)

                肝心の悪性メラノーマもそれほど広がっていません。(外側の歯肉に限局しています)

                 

                いけそうですひらめき

                 

                「上顎部分切除術」

                腫瘍とその周囲の歯肉を、その土台のあごの骨ごと出来る限り摘出します。

                 

                局所浸潤も非常比強いこの腫瘍。

                腫瘍をかっさらう様に摘出してもあっという間に再発します。

                しかも腫瘍に刺激を加えた分、再発の仕方も最悪っといったことになりかねません。

                状況からこうした手術法を選択するしかない時もありますが。

                 

                「1発でいけるところまでガッツリ」

                 

                悪性腫瘍と戦うにはこの方法が一番です。

                 

                飼い主さんも即決、手術開始です。

                この部分は鼻腔に近くないので、出血のリスクも少ないと思われます。

                とは言え、骨ごとなので少し時間がかかります。

                 

                そんなこんなですが、手術は無事終了。

                術後はしっかり痛みをとってあげてケアします。

                 

                術後のMちゃんです。

                ちょっと、唇が吊れましたが毛が生えれば目立たないと思いますし、そのうちなじんでくるでしょう。

                術後すぐに食欲もでて、経過良好。

                 

                今回はかなり根治を意識して行った治療ですが・・・これで終われる腫瘍ではありません。

                今後は再発予防のために抗がん剤の投与も検討します。

                 

                実際には、完璧にやっても再発の可能性あります。。。それほど悪い相手です。

                 

                口腔内の悪性メラノーマ。

                外科的なアプローチが可能であればまずは切除がいいと思います。

                その後、化学療法や放射線治療を併用します。

                獣医領域でも放射線治療がレベルアップしたため昔よりも効果が期待できますが、絶対ではありません。

                 

                私たちも日々の診察でなるべくいろいろなところを診ようと心がけていますが、正直限界があります。

                 

                口の中に限ったことではありませんが、

                「日頃からワンちゃんネコちゃんを良く観察し触って小さいうちに発見してもらう」

                 

                飼い主さんからの申告、それしかありません。

                 

                「こんなこと聞いちゃ迷惑かしら」なんて思わずに!!

                何でも聞いてください、答えられないことは勉強します汗

                 

                 

                おおくぼ動物病院 www.okubo-vet.com

                 

                2016.04.26 Tuesday

                歯石除去のすすめ

                0
                  多くの飼い主さんが気にされている歯の汚れ、歯石。。。
                  みんながみんな「歯磨き大好き!!」とはいかないので、管理には一苦労。

                  キチンと歯根部まで処置をするためにはどうしても全身麻酔が必要なため
                  躊躇してしまう飼い主さんも多いと思います。

                  今回はそんな歯にまつわるお話です。

                  このところかなりの老犬(13〜15歳くらい)の歯科処置をすることが重なっています。
                  「そんな高齢になって歯石なんて・・・」とお思いでしょう。

                  正直私もそう思いますが、患っているワンちゃんにしてみたらそうはいきません。

                  長年にわたり積もり積もった歯石とグラグラの歯。
                  痛くて食べるどころじゃなくなってしまうケースが続出_| ̄|○

                  全身状況や血液検査データなどとにらめっこ。
                  どうやら麻酔はかけられる。
                  もちろんリスクはありますが、きれいにしてあげられればもう少しがんばれそう。

                  飼い主さんと話し合いを続けます。
                  「とにかくこのままじゃねぇ、やってみますか!!」
                  「はい、覚悟決めました!!先生、やってみましょう!」

                  心臓が悪い、腎臓が悪いなんて子は、歯科処置のために麻酔はかけられません。
                  高齢にくわえて基礎疾患があれば「命がけ」になってしまいかねません。

                  したがって、このような麻酔歯科処置を行う子達は、もちろん基礎疾患はない状態です。
                  残念ながら100%安心安全とは言えない全身麻酔、
                  それでも高齢という理由だけで麻酔から覚めないなんてことはまずありません。(私の経験の範囲内です)

                  ただ、やっぱり出来れば麻酔は避けたいというのが本心、
                  術後にぐっと老け込んだり、ひどいとちょっと痴呆っぽくなったりすることはあります。

                  10歳を過ぎたあたりには・・・
                  ちょっと考えてみてはいかがでしょうか?!

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                  2015.09.26 Saturday

                  動画撮影のすすめ

                  0
                    今回はいつもとは少し違う話を・・・

                    結構な確率で皆さんが手にしているスマートフォン。
                    一度持ってしまうとなかなか手放せない便利なものです。

                    こんなスマートフォンの普及により、動画も簡単に撮影できるようになりました。
                    ウチの子供たちも画面にタッチして何やら興味のあるものを撮影していることがあります。
                    (後で確認すると、親の私には理解不能なこともありますが・・・)

                    そんな便利な機能、使わない手はありませんきゃvネコ

                    日々の診察では良く遭遇する
                    「発作・けいれん・震え」
                    「歩き方がおかしい」
                    「呼吸の仕方がおかしい」
                    「よくわからないが、これは異常なんじゃないか?!」

                    診察台で同じことが起きていれば共通の認識が持てるのですが、
                    そう上手くは行きません。

                    そんな時は動画が便利です!!!矢印上

                    「今度同じことが起きたときには、あせらず動画を撮ってください。」
                    当院の診察でも良く飼い主さんにお伝えするメッセージです。

                    今目の前で起きていることは緊急に対応する必要がありますが、
                    例えば「けいれん発作」などは、頻度によって治療するか?経過観察するか?が決まってきます。
                    単発の発作であれば、再発がない限り経過観察することが圧倒的に多いので、どうか安心して撮影にトライしてみてください。

                    「あせらずに」・・・無理なことも分かっていますが。
                    動画を見せてもらうと、そこにはかなり有用な情報があります。
                    ワンちゃんネコちゃんの健康管理に動画の活用をおすすめします。

                    おおくぼ動物病院 www.okubo-vet.com
                    2015.06.07 Sunday

                    犬 心タンポナーデ・心嚢液貯留 僧帽弁閉鎖不全症

                    0
                      ある日の夜、急患の電話が一本はいりました。

                      普段から、急患と言っても電話のみで終わることもあるため、とりあえず今の状況を伺うと

                      「他の病院で心臓が悪いと言われてまして、しかもここ一週間で元気がないんです・・・」

                      これは、診ないとダメです!!
                      「では、お待ちしています」と待つこと10分。

                      今までの治療やこれまでの経緯を伺い、診察、そのまま血液検査と胸部レントゲンの撮影。
                      心臓はとんでもないことになっていました・・・ガーンネコ

                      胸腔内いっぱいの心臓!!!

                      ただし、とうのRちゃんは元気はないものの緊急性はない様子。
                      夜間の診察でしたのでこれからスタッフ全員集めるのも難しく、
                      明日朝一番で心臓の精査をお約束し、できる限りの治療をして一晩様子を見ることに。

                      翌朝、心臓のエコー検査をしてみると・・・やっぱり!


                      心臓(心筋)はその周囲を心嚢膜(しんのうまく)という膜で包まれています。
                      レントゲンなどで一般的に見えている心臓は、心嚢膜に包まれた心筋を見ています。

                      その心嚢膜と心臓(心筋)の間に液体が貯まってしまうことを心嚢液貯留と言います。
                      心嚢液が貯留してしまうと圧迫のため心臓がうまく動かなくなってしまいます。
                      このような状態を「心タンポナーデ」と言います。
                      犬の場合、原因は心臓に発生する腫瘍などが一般的ですが、特発性といって原因が分からないもののあります。

                      いずれにせよ、とにかくこの心嚢液を抜いてあげないと始まりません。

                      「心嚢穿刺」・・・
                      心嚢膜に針を刺して心嚢液を抜きます!!心臓めがけて針を刺します!!!
                      なんか、テンション上げてる感じですが・・・
                      動かれてはいけないので鎮静剤を投与します、局所麻酔も併用します。
                      忘れた頃にやってくるこの病気、とても緊張する処置です。

                      結局、血様の液体が約60ml。
                      きれいにほぼ抜けて。心電図・血圧ともに良好。
                      追加で行った心嚢液や諸々の検査では、腫瘍ではなく特発性の貯留を疑う所見でした。
                      これで、とりあえず一山超えた感じきゃvネコ

                      一週間後の胸部レントゲンでは、心臓は元のかたち??にもどって・・・
                      (実はもともとの心臓も僧帽弁閉鎖不全症が原因でかなり拡大しているのです)


                      あとは、この拡大した心臓をどうやってコントロールしていくか!

                      小型犬には多い、僧帽弁閉鎖不全症。
                      (心臓内の血液の逆流を防ぐ弁がちゃんと閉まらない病気、うっ血性心不全を起こします。)

                      どんな病院でも治療はしていますが、
                      軽度のものならまだしも、重度の症例は苦労します。
                      いかに肺水腫を出さないよう、壊れてきたポンプをいかに長持ちさせるか!!

                      肺水腫になった時は!・・・とにかく救命(昔よりいい薬があるので救命率は実感としてあがっています)

                      ポピュラーな病気ですが、反省と経験と最新の資料を元に治療しています。
                      奥が深いんです・・・

                      現在は数種類の薬を飲んでコントロールしています。
                      先日の来院では、「動きたくてしょうがないんです」と飼い主さんがおっしゃっていました。

                      高齢だし、この心臓だし、あまり激しいのはちょっとね汗

                      その後、腎不全も発症し2つの病気の治療中。
                      まあ、それでも元気いっぱい。
                      一日でも長く、この状態を続けられるようにサポートしていきます。


                      おおくぼ動物病院 www.okubo-vet.com






                       
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