2018.10.29 Monday

犬の口腔内腫瘍の手術 悪者と良いものだけど・・・ 下顎部分切除術

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    犬の口腔内にできる腫瘍には、大きく2つ悪者と良い者があります(当たり前か)。

     

    悪者の代表が、悪性メラノーマ(悪性黒色腫)や扁平上皮癌。

    良い者は、エプリスなどの良性の腫瘍。

     

    ほとんどの子たちは、飼い主さん自身で発見し

    「先生、口の中に出来物があるんですけど」と言って来院されます。

     

    ここまでは時々ある診察の会話。

    そんな「先生、こんなのが・・・」症例がここ3ヶ月、毎月1症例ずつ来院。

     

    はじめに来たのは、ずっと診ているキャバリアのEちゃん。

     

    こんなのができちゃってます。

    左の下顎犬歯を囲むように赤く膨らんでいる腫瘍。

    組織検査の結果、悪性メラノーマ。

     

    とにかくとるしかありません、が、今回は下顎。

    上顎と違って、下顎の場合はおもいっきり顎の骨ごといきます。(下顎部分切除)

    幸い、骨まで浸潤していないことも確認できたので、部分切除でOK。

    骨の標本でいうとこんな具合です。

    赤の線で完全に切除(切断)します。

     

    飼い主さんからすると、相手は悪性腫瘍ですから、治療の大変さはもちろん分かってはいても、

    このような手術を受けなくてはいけないことにもちろんショックですし、

    さらには、術後の容姿の変化も気になると思います。

     

    そんな術前の説明は、

    「一部出血を伴う箇所があるので、止血を確認してして術後の再出血の観察も行います」

    「痛みに関しては、しっかりとした痛み止めを使って行います。でも犬は意外と平気そうで、すぐに食べ始めますよ」

    「容姿に関しても、この手術であればぱっと見はわからないと思いますし、私もうまいこと縫います」

     

    っとこんな感じ(実際にはちゃんと時間かけます)。手術も1時間か1時間半くらい。

    出血のコントロールもしっかりできて、Eちゃんもすぐに食べ始めました。

     

    次に来た子が、ダックスのSちゃん。

    数年前に膀胱が突出した会陰ヘルニアの手術を当院で行い、隣の市から久しぶりの来院。

    飼い主さんとも「あ!!お久しぶりです!その後お尻はどうですか?」なんて会話もそこそこに、

    「実は、先生。こんなものができちゃって・・・」

     

    これも、組織検査で悪性メラノーマ。下顎部分切除で対応。

    続くときは、続くもんだな。なんて、スタッフみんなで話していると

     

    今度は、さらに隣の隣の市からいつも来院している、Wちゃん。

    「先生〜、なんかできてる!!」

    って、続きすぎだろ。

    メラノーマかな??やだな。なんて組織検査してみると、今度はエナメル上皮腫。

     

    エナメル上皮腫は、良性の腫瘍です(ここまでは一安心)。

    が、骨を溶かして進行して行くので、腫瘍だけちょんと切っただけではダメ。

    良性腫瘍ではあるけれども、やっぱり下顎部分切除で対応します(メラノーマよりは範囲は若干小さめ)

     

    悪性と良性、やることは一緒の下顎部分切除。

    みんな術後の経過は順調。悪性腫瘍の子達も、しっかりとマージン確保。

     

    心配された容姿についても。

     

     

    大きな変化はありません。唇をめくればわかる?めくっても言われないとわからないかもしれません。

    要するに、そんな程度に治ります。

     

    悪性腫瘍の場合は、大きくとるためにこのような手術を行わざる得ませんが、

    良性に分類される腫瘍でも、物によっては大きな手術が必要となります。

     

    3連チャンなんて機会は、もう結構です。

    が、その甲斐あって私自身も大変勉強になりました。

     

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    2018.07.28 Saturday

    犬の子宮蓄膿症ってやっぱり怖い!!

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      メス犬に起こるポピュラーな病気として、子宮蓄膿症があります。

      中年以降の避妊手術(卵巣摘出)をしていない子によくみられます。

      私の経験では、4歳という若さで発症した子もいました。

       

      卵巣のホルモンの異常により、子宮内に感染が起こり膿が溜まってしまう病気で、

      全身の強い炎症を伴います。

       

      緊急性を要求され、手術により病気になった子宮と卵巣の摘出を行います。

      摘出して終われればいいのですが、全身に広がった炎症により、

      二次的な血液凝固異常などが起こることもあり、術後は徹底的な内科管理が必要です。

       

      私は幸い経験はないのですが、術後に亡くなってしまう子もいるようです。

       

      そんな子宮蓄膿症。

      今回は、他の病院からの頼まれ仕事で手術のみ請け負いました。

       

      主治医の先生とともに来院したその子を診てみると、

      外陰部からドバドバ排膿しているので、誰がみても子宮蓄膿症。

      念のため手術直前にエコーを当てて、本当に子宮蓄膿症なのか確かめて・・・

      間違いありません。

       

      すでに準備は整っているので、そのまま麻酔をかけて、開腹。

      大きく膨れ上がった子宮が顔を出します。

      ここまでは、いつもの子宮蓄膿症と一緒。

       

      あれ?!

      臓器をそっとかき分けると・・・濁った腹水が!!!

      「この腹水、やばい。子宮破けたな。」

      っと嫌な汗・・・

       

      四の五の言ってる場合ではないので、とにかく摘出。

      血圧も低下気味(薬で調整)。

      当然、腹膜炎の併発が予想されるので、腹腔内洗浄。

      アクティブドレーンも設置して・・・閉腹。

       

      手術は無事に1時間ちょっとで終了しましが、これは後の内科管理が大変そう。

      引き継ぐ先生には、緊急薬もすべて渡して逐一連絡を取り合うこととしました。

       

      数日後、術中にサンプリングした腹水と子宮内の膿の細菌培養検査結果が届くと。

      やっぱり!!

       

      腹水と子宮内の膿の細菌が同じです。破けていた(おそらく穿孔ですが)証拠です。

       

      今まで数多くの子宮蓄膿症を診てきましたけど、破けるなんて!!

      「そんなこともあるのだろう」と想像はしていましたが、初めての経験です。

       

      そんな重体だった当のワンちゃんは、こちらの心配を他所に、翌日から食欲も出て。

      ドレーンからの廃液も日増しに減少。

      経過は良好のようで、もう少しで退院ですとの報告を受けました。

      よかった!!犬って本当に強い。

       

      とは言え、

      いやー、「子宮蓄膿症」やっぱり怖い病気です。

       

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      2017.10.28 Saturday

      犬 口腔内悪性メラノーマ 上顎部分切除(手術)その後の経過

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        今回は、以前ブログに書いた口腔内メラノーマを発症したMちゃんの術後経過報告です。

        (以前のブログはこちら:http://okubo-vet.jugem.jp/?eid=865569

         

         

        口腔内メラノーマ(悪性黒色腫)

        飼い主の皆さんも聞いたことがあるかもしれません、犬の口腔内にできる悪性腫瘍として有名です。

        何が有名かというと・・・そう、大変悪いんです。

         

        転移性も高く、再発率も高い厄介な腫瘍です。

         

        っと、メラノーマの予備知識はこのくらいにして。

         

        いきなり結果報告ですひらめきひらめきひらめき

         

        あれから、1年半近く経過した現在ぃ〜。

        じゃーん!!Mちゃん絶好調!!

        再発もなく、当然リンパ節や肺への転移も確認できません。

        大変うまくいってます!

         

        腫瘍発見当初に明らかな転移がなかったこと、

        腫瘍自体も<2cm、

        積極的な外科手術による局所制御

         

        その後も、消炎剤と抗がん剤を使用。

         

        抗がん剤もだいぶ長く使っていくと白血球の戻りが悪くなったので(骨髄抑制)中止。

        現在は、がんをおとなしくさせるようなタイプの抗がん剤を試験的に使用し、

        幸い大きな副作用もなく順調な経過となっています。

         

        Mちゃんも16歳

        抗がん剤のやめ時が難しいですが、

        飼い主さんも「副作用もないので、続けます」と積極的。

        (実際のところ、メラノーマに絶対効く抗がん剤はありません。)

         

        条件が整っていたメラノーマだったと言われればそのとうりですが、

        すこぶる元気で、飼い主さん共々頑張って治療した甲斐がありました手

         

        今後も治療は継続の予定。なんとか術後2年目指して頑張ってほしいものです。

         

         

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        2016.06.26 Sunday

        口腔内腫瘍 悪性メラノーマ 上顎部分切除(手術)

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          ワンちゃんの口の中、特に歯肉などに腫瘍ができることがあります。

           

          歯周炎などの慢性炎症から発生するエプリスと言った良性腫瘍もありますが、

          たちの悪い悪性腫瘍も存在します。

           

          「悪性メラノーマ/悪性黒色種」

           

          これ、とんでもなく手強い腫瘍です。

          転移性も早く、局所の増大傾向も早く・・・

          昔より成績は上がっていますが、

          「どうにか1年もたせる」そう言ったレベルの悪性腫瘍です。

           

          今回は14歳になるダックスのMちゃん。

          ある日の診察で、「この前から歯肉に膨らみがあるんです」と飼い主さん。

           

          「えッ」悪い予感を抱えながら唇をめくってみると・・・ありました。

          まだ1cmくらいの大きさですがしっかりとした腫瘤が存在します。

           

           

          う〜〜ん、見た目からしてメラノーマ・・・

          迷っていてもどうしようもないので、

          まずは針生検(最小限の刺激で診断できればベストです)・・・細胞が上手く採れませんショボン

           

          仕方がない・・・端っこをちょんと切って確定診断のために病理検査へ。

           

          っとその前に、ペタペタとスタンプ。

          染色をしてみると「やっぱりガーンネコ

          細胞は比較的おとなしい顔つきですが、メラノーマが強く疑われます。

          その後の病理検査結果でも悪性メラノーマと診断されました。

           

          そうと分かれば、

          まずはMちゃんの体をくまなく検査します。

          幸い、明らかな転移の兆候は診られません。

          全身状態も良好。(基礎疾患はありません)

          肝心の悪性メラノーマもそれほど広がっていません。(外側の歯肉に限局しています)

           

          いけそうですひらめき

           

          「上顎部分切除術」

          腫瘍とその周囲の歯肉を、その土台のあごの骨ごと出来る限り摘出します。

           

          局所浸潤も非常比強いこの腫瘍。

          腫瘍をかっさらう様に摘出してもあっという間に再発します。

          しかも腫瘍に刺激を加えた分、再発の仕方も最悪っといったことになりかねません。

          状況からこうした手術法を選択するしかない時もありますが。

           

          「1発でいけるところまでガッツリ」

           

          悪性腫瘍と戦うにはこの方法が一番です。

           

          飼い主さんも即決、手術開始です。

          この部分は鼻腔に近くないので、出血のリスクも少ないと思われます。

          とは言え、骨ごとなので少し時間がかかります。

           

          そんなこんなですが、手術は無事終了。

          術後はしっかり痛みをとってあげてケアします。

           

          術後のMちゃんです。

          ちょっと、唇が吊れましたが毛が生えれば目立たないと思いますし、そのうちなじんでくるでしょう。

          術後すぐに食欲もでて、経過良好。

           

          今回はかなり根治を意識して行った治療ですが・・・これで終われる腫瘍ではありません。

          今後は再発予防のために抗がん剤の投与も検討します。

           

          実際には、完璧にやっても再発の可能性あります。。。それほど悪い相手です。

           

          口腔内の悪性メラノーマ。

          外科的なアプローチが可能であればまずは切除がいいと思います。

          その後、化学療法や放射線治療を併用します。

          獣医領域でも放射線治療がレベルアップしたため昔よりも効果が期待できますが、絶対ではありません。

           

          私たちも日々の診察でなるべくいろいろなところを診ようと心がけていますが、正直限界があります。

           

          口の中に限ったことではありませんが、

          「日頃からワンちゃんネコちゃんを良く観察し触って小さいうちに発見してもらう」

           

          飼い主さんからの申告、それしかありません。

           

          「こんなこと聞いちゃ迷惑かしら」なんて思わずに!!

          何でも聞いてください、答えられないことは勉強します汗

           

           

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          2016.04.26 Tuesday

          歯石除去のすすめ

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            多くの飼い主さんが気にされている歯の汚れ、歯石。。。
            みんながみんな「歯磨き大好き!!」とはいかないので、管理には一苦労。

            キチンと歯根部まで処置をするためにはどうしても全身麻酔が必要なため
            躊躇してしまう飼い主さんも多いと思います。

            今回はそんな歯にまつわるお話です。

            このところかなりの老犬(13〜15歳くらい)の歯科処置をすることが重なっています。
            「そんな高齢になって歯石なんて・・・」とお思いでしょう。

            正直私もそう思いますが、患っているワンちゃんにしてみたらそうはいきません。

            長年にわたり積もり積もった歯石とグラグラの歯。
            痛くて食べるどころじゃなくなってしまうケースが続出_| ̄|○

            全身状況や血液検査データなどとにらめっこ。
            どうやら麻酔はかけられる。
            もちろんリスクはありますが、きれいにしてあげられればもう少しがんばれそう。

            飼い主さんと話し合いを続けます。
            「とにかくこのままじゃねぇ、やってみますか!!」
            「はい、覚悟決めました!!先生、やってみましょう!」

            心臓が悪い、腎臓が悪いなんて子は、歯科処置のために麻酔はかけられません。
            高齢にくわえて基礎疾患があれば「命がけ」になってしまいかねません。

            したがって、このような麻酔歯科処置を行う子達は、もちろん基礎疾患はない状態です。
            残念ながら100%安心安全とは言えない全身麻酔、
            それでも高齢という理由だけで麻酔から覚めないなんてことはまずありません。(私の経験の範囲内です)

            ただ、やっぱり出来れば麻酔は避けたいというのが本心、
            術後にぐっと老け込んだり、ひどいとちょっと痴呆っぽくなったりすることはあります。

            10歳を過ぎたあたりには・・・
            ちょっと考えてみてはいかがでしょうか?!

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            2015.09.26 Saturday

            動画撮影のすすめ

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              今回はいつもとは少し違う話を・・・

              結構な確率で皆さんが手にしているスマートフォン。
              一度持ってしまうとなかなか手放せない便利なものです。

              こんなスマートフォンの普及により、動画も簡単に撮影できるようになりました。
              ウチの子供たちも画面にタッチして何やら興味のあるものを撮影していることがあります。
              (後で確認すると、親の私には理解不能なこともありますが・・・)

              そんな便利な機能、使わない手はありませんきゃvネコ

              日々の診察では良く遭遇する
              「発作・けいれん・震え」
              「歩き方がおかしい」
              「呼吸の仕方がおかしい」
              「よくわからないが、これは異常なんじゃないか?!」

              診察台で同じことが起きていれば共通の認識が持てるのですが、
              そう上手くは行きません。

              そんな時は動画が便利です!!!矢印上

              「今度同じことが起きたときには、あせらず動画を撮ってください。」
              当院の診察でも良く飼い主さんにお伝えするメッセージです。

              今目の前で起きていることは緊急に対応する必要がありますが、
              例えば「けいれん発作」などは、頻度によって治療するか?経過観察するか?が決まってきます。
              単発の発作であれば、再発がない限り経過観察することが圧倒的に多いので、どうか安心して撮影にトライしてみてください。

              「あせらずに」・・・無理なことも分かっていますが。
              動画を見せてもらうと、そこにはかなり有用な情報があります。
              ワンちゃんネコちゃんの健康管理に動画の活用をおすすめします。

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              2015.06.07 Sunday

              犬 心タンポナーデ・心嚢液貯留 僧帽弁閉鎖不全症

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                ある日の夜、急患の電話が一本はいりました。

                普段から、急患と言っても電話のみで終わることもあるため、とりあえず今の状況を伺うと

                「他の病院で心臓が悪いと言われてまして、しかもここ一週間で元気がないんです・・・」

                これは、診ないとダメです!!
                「では、お待ちしています」と待つこと10分。

                今までの治療やこれまでの経緯を伺い、診察、そのまま血液検査と胸部レントゲンの撮影。
                心臓はとんでもないことになっていました・・・ガーンネコ

                胸腔内いっぱいの心臓!!!

                ただし、とうのRちゃんは元気はないものの緊急性はない様子。
                夜間の診察でしたのでこれからスタッフ全員集めるのも難しく、
                明日朝一番で心臓の精査をお約束し、できる限りの治療をして一晩様子を見ることに。

                翌朝、心臓のエコー検査をしてみると・・・やっぱり!


                心臓(心筋)はその周囲を心嚢膜(しんのうまく)という膜で包まれています。
                レントゲンなどで一般的に見えている心臓は、心嚢膜に包まれた心筋を見ています。

                その心嚢膜と心臓(心筋)の間に液体が貯まってしまうことを心嚢液貯留と言います。
                心嚢液が貯留してしまうと圧迫のため心臓がうまく動かなくなってしまいます。
                このような状態を「心タンポナーデ」と言います。
                犬の場合、原因は心臓に発生する腫瘍などが一般的ですが、特発性といって原因が分からないもののあります。

                いずれにせよ、とにかくこの心嚢液を抜いてあげないと始まりません。

                「心嚢穿刺」・・・
                心嚢膜に針を刺して心嚢液を抜きます!!心臓めがけて針を刺します!!!
                なんか、テンション上げてる感じですが・・・
                動かれてはいけないので鎮静剤を投与します、局所麻酔も併用します。
                忘れた頃にやってくるこの病気、とても緊張する処置です。

                結局、血様の液体が約60ml。
                きれいにほぼ抜けて。心電図・血圧ともに良好。
                追加で行った心嚢液や諸々の検査では、腫瘍ではなく特発性の貯留を疑う所見でした。
                これで、とりあえず一山超えた感じきゃvネコ

                一週間後の胸部レントゲンでは、心臓は元のかたち??にもどって・・・
                (実はもともとの心臓も僧帽弁閉鎖不全症が原因でかなり拡大しているのです)


                あとは、この拡大した心臓をどうやってコントロールしていくか!

                小型犬には多い、僧帽弁閉鎖不全症。
                (心臓内の血液の逆流を防ぐ弁がちゃんと閉まらない病気、うっ血性心不全を起こします。)

                どんな病院でも治療はしていますが、
                軽度のものならまだしも、重度の症例は苦労します。
                いかに肺水腫を出さないよう、壊れてきたポンプをいかに長持ちさせるか!!

                肺水腫になった時は!・・・とにかく救命(昔よりいい薬があるので救命率は実感としてあがっています)

                ポピュラーな病気ですが、反省と経験と最新の資料を元に治療しています。
                奥が深いんです・・・

                現在は数種類の薬を飲んでコントロールしています。
                先日の来院では、「動きたくてしょうがないんです」と飼い主さんがおっしゃっていました。

                高齢だし、この心臓だし、あまり激しいのはちょっとね汗

                その後、腎不全も発症し2つの病気の治療中。
                まあ、それでも元気いっぱい。
                一日でも長く、この状態を続けられるようにサポートしていきます。


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                2014.06.02 Monday

                メス犬 膣の巨大腫瘍 膣平滑筋腫 排便困難

                0
                   ある日の朝、保護した犬・猫の里親探しなどをされているなじみの患者さんからの1本の電話が。
                  「朝からすいません!!大変な犬がいるんですけど連れて行っていいですか?」

                  連れてこられた子は、ほとんど動く気力もなくぐったり0口0

                  くるまれていたタオルをめくって、全体の状況をみてみると更にビックリ
                  外陰部からとんでもないものが顔を出しており、肛門を押しのけるように会陰部全体がとてつもない大きさになっていましたガーンネコ



                  保護してくれた患者さんとも相談し、リスクは非常に高いですが
                  「とにかくこの大きなものをどうにかしないことには今後はない」と判断、手術に踏み切りました。
                  ただし、私自身も何者なのかある程度予測はできたものの、実際はやってみないとわからない状態でした。

                  手術すること1時間半…。
                  血圧の低下があり緊急に薬を投与したりと麻酔管理も決して楽ではなかったですが、
                  完全に摘出することができ、大急ぎで縫合を終わらせなんとか全てが無事に終了うれCネコ

                  病理検査の結果は「平滑筋腫」。
                  基本的には良性に分類される腫瘍です。避妊手術をしておくことで防ぐこともできます。
                  ここまで大きいのはみたことがないですが、膣の筋肉層から発生する腫瘍で
                  飼い主さんも気づかないうちに大きく育ってしまうこともしばしばあります。
                  大きくなることで周辺の臓器を圧迫し、おしっこが出づらくなったり・便が出づらくなったりすることもあります。
                  この子も、おそらく排便困難があったでしょう。

                  まあ、とりあえず一山は超えて日に日に元気になってはきたのですが。。。
                  当初、飢餓状態で手術したため傷はくっつかないは、
                  くすぶっていたであろう子宮蓄膿症は発症するはで(血液中のタンパクが上昇してきたところで2回目の手術を実施)
                  山あり谷あり・・・

                  それでもなんとかすべてクリア!!何しろこの子自体がよくがんばりました!!!
                  12日間入院して無事に帰宅、後は通院でどうにかなりそうですあひゃネコ

                  平滑筋腫・・・良性といえども侮れない腫瘍です。

                  追伸
                  今回いろいろとご心配していただいた方がたくさんいらっしゃると伺っています。
                  この子にかわって感謝します。
                  元気になりましたので、優しい里親さんが見つかってくれることを願います。

                  おおくぼ動物病院 www.okubo-vet.com
                   
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                  2013.07.19 Friday

                  犬 慢性リンパ球性肝炎 肝生検 治療

                  0
                     犬もヒトと同様に肝炎になることがあります。

                    年をとって肝臓が痛んでくるような慢性肝炎ならまだよいのですが・・・

                    早ければ4歳くらいから起こる重度の慢性肝炎があります。

                    子犬のころから診ている、M.ダックスの女の子
                    いつも元気に病院に来ていたのに・・・
                    突然1週間くらい前から、元気・食欲がなく時々嘔吐もみられるとのこと。

                    しかも発熱があるようで、体も熱い。

                    とにかく原因を知るために、検査をしました。
                    すると・・・
                    肝臓のダメージを示す項目はすべてスケールオーバー、くわえて胆嚢にも炎症が波及しているようです。
                    このような異常を示す病気で時々出会うのが、「人間のかぜ薬を間違って食べてしまったときの中毒」最初はそんな疑いを持ちましたが、詳しく見ていくと中毒のレベルではないほど数値が上昇していました。これはただ事ではない・・・・ 
                    「慢性肝炎の疑いが強い。」

                    とにかく嘔吐の治療をしつつ、肝臓の保護に努めます。
                    熱も下がり元気食欲も戻ったのですが、なかなか数値が下がってこない!!しかもつられて胆嚢炎も悪化。

                    そこで飼い主さんと相談、
                    このような慢性肝炎はステロイドに反応することが多いのですが、この子は3歳半まだ若いしこれからの薬の選択のこともあるので、きちっとした診断を下すため開腹して肝臓の生検(一部を切り取り病理組織検査を行う)を提案をしました。
                    さらには、もしも胆嚢の状態も悪ければ胆嚢切除も同時に行うということで、同意していただきました。

                    待つこと数日、ある程度肝臓胆嚢の数値が下がったところで、いざ開腹。


                    肝臓は少し表面がデコボコして、すこし黄色がかった感じ。
                    いつも見る肝臓とはやはり違います。
                    胆嚢は・・・・きれい。摘出せずに温存。

                    肝臓の一部を切り取って病理組織検査へ・・・さらに待つこと数日。
                    「慢性リンパ球性肝炎」  診断がつきました。

                    そうと決まればステロイドの投与を開始、飲み初めた翌日よりすこぶる調子が良いようで。
                    飼い主さんと一緒に一安心。
                    今後も薬を続けながらの生活になると思うけど、Cちゃん一緒に頑張ろう!!


                    おおくぼ動物病院 www.okubo-vet.com
                    2012.04.25 Wednesday

                    猫の腸炎

                    0
                       
                      「猫が年をとると慢性腎不全になる」 猫を飼っていると、みなさん一度は耳にしたこともあるかと思います。

                      それとは別に、昔から腎不全ほどの確率ではないですが、「膵炎・胆管肝炎・腸炎」も年をとった猫がかかりやすい病気とされています。(単独でももちろん、2つが併発している場合もあります。)

                      そのなかでも、今日は腸炎の話を2症例。

                      1症例目は、17歳になるアメショーのSちゃん
                      当院で診るまで、数ヶ月間食欲不振と間欠的な嘔吐を訴え,病院に行くもなかなか治らず。。。
                      飼い主さんの献身的な看護やこれまでの治療のお話を聞かせていただき、現状把握のため検査を行うと、レントゲンにて明らかに腸がおかしいことに目がいきます。


                      そこで飼い主さんに、
                      「これ、腸自体の問題だと思うのですが、試しにこのご飯(処方食)を食べてステロイドの投与を行ってみませんか?」
                      ここまでの経過も長いので入院させて集中的に治療すること数日、以前がうそのように食べるようになりました。
                      さらに治療継続すること7カ月、元気も食欲もあり(もちろん嘔吐はありません)、もともと腎不全もあったのでそちらの治療も行いながら・・・
                      現在ではステロイドも減薬できて、飼い主さんにも笑顔がもどっています。
                      Sちゃん、処方食好き嫌い言わずに、ちゃんと食べてね!

                      2症例目は、10歳になる黒猫のMちゃん
                      毎年冬に行っている猫の健康診断キャンペーンでのお話です。
                      一般的な血液検査と尿検査で、腎不全の早期発見を目的に行っている検診ですが、腎不全の徴候は見られないものの尿検査にて引っ掛かることがあったので、除外診断もかねて超音波検査とレントゲン撮影をしました。尿での異常は、ある種の問題をお話し経過観察とさせていただきましたが、どうも、腸がいやらしい感じです。


                      飼い主さんとお話をすると、「1カ月前から、軟便なんです。以前は良いのが出てたのに、気になってたんです。」とのこと。
                      「ですよねぇ、こちらとしても腸がものすごく気になるんです。腸自体の問題の可能性がありますので、まずはこの処方食、食べてみてください。改善しないようなら、ステロイドを試します。」

                      最初に処方したご飯は、お気に召さなかったようで、違うものを用意しました。するとこちらはお口にあったようで、喜んで食べはじめそれから数日、以前のような良い便が出ました。飼い主さんも大満足。


                      この病気、きれいさっぱり治ってしまうわけではありません、付き合っていく病気です。
                      今回ご紹介した子達は、うまくいっていますが、中には腸のリンパ腫や腺癌などが原因の場合も経験します(そのような病気の多く子は、おなかの中にしこりを触知します)。
                      そんなことも絡んでくる病気なので、開腹にて腸組織を採って検査することで、確定診断を行います。しかし、しこりも触らないのに最初からそんな検査なかなか難しいので、まず試してみて考えるということで「あり」かと思います。

                      猫の慢性軟便・嘔吐・・・こんな病気かもしれません。気になる方は、一度ご相談ください。
                      おおくぼ動物病院 www.okubo-vet.com
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