2020.08.02 Sunday

犬の膿腎症(水腎症) 腎破裂 腎結石・尿管結石

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    今回の話は、14歳になるジャックラッセルのMちゃんです。

     

    最初は、湘南の海のならび、東の方で開業されていて、

    県獣医師会と大学同窓会の理事会でお世話になっている先輩からの電話でした。

     

    まあ便利な世の中になって、写真というものが制限なく送れるので、

    症例の相談にはもっぱらLINE。

     

    レントゲンやエコーの画面を写真でパチリ。

    病院で見るような鮮明な画像とは行きませんが、状況の把握は十分可能です。

     

    早速、経過を聞き画像を見て・・・・

    「これ、左の腎臓全くダメですね(水腎症)。しかも濁っているので、感染(膿腎)してます」

    「やっぱりダメよね!?先生のところにお願いしていい?」

     

    その数日後、飼い主さんはMちゃんを連れて来院されました。

    ここ数日は、少し食欲も出て保ち直しているとのこと、でも元気ありません。

     

    早速検査をすると。

    案の定、左の腎臓はダメそうです。

    パンパンの水腎症だし、濁ってる。

     

    そして、尿管に出たところでガッツリ石詰まってます。

    こんな結石、落ちてくるのか?ってなくらいの大きさ。

    さらには、腎臓内にも多数の結石。

    IMG_6742.JPG

    「とにかく手術でどうにかしてあげないと、このままの内科治療では無理かと思います。」

     

    飼い主さんも紹介病院の先生から、手術の話を聞いてこちらにきてもらっているので、

    理解は早く。

    「お願いします」とのこと。

     

    手術の計画としては次のとおりです。

    1 腎瘻チューブを設置して、腎臓内の感染した尿を体外へ排泄。

    2 尿管に詰まっている結石の除去

     

    でも、腎臓内の結石が落ちてきたら・・・???

    3 腎瘻チューブ抜くときに、SUB? ステント?

     

    なんだか先が思いやられますが、いまを助けないと始まりません。

     

    というわけで、すぐに手術。

    お腹を開けると・・・癒着。(やっぱり、犬ってこうパターンあるよなァ(~_~;))

    腎臓目指して、かき分けていくと。

     

    濁った腹水!!!!・・・左の腎臓頭側に脂肪組織の癒着。

    腎臓破裂していたようです(T ^ T)

     

    過去、学会に出席したときにこのような症例発表がありました。

    その時は「こんなことってあるのかよ??」なんて思っていましたが。

    ありました・・・うちにもきました・・・

     

    こうなると、当たり前ですが前記したように腎臓周囲は激しい炎症によりがっちり癒着。

    よって、尿管もそうですが腎問部へのアプローチもできないので、

    結石も腎臓も摘出は困難。

     

    仕方がないので

    とにかく隙間から腎瘻チューブを設置して、腎臓の中を洗い。

    膿を回収。

    お腹の中も洗浄して、綺麗に。

    腹膜炎になってますから、腹腔内ドレーン(特殊なやつ)を設置して。

     

    体からチューブが2本も出ることになりましたが

    洗ってる時間の方が長かったこの手術、とりあえず無事終了。

     

    その後は、入院管理(実はこっちの方が大変かも)

    敗血症ぎみの血液検査結果ですので、特殊な抗生物質を使ってしっかり治療。

    炎症の連鎖を断ち切るような薬剤も投与。

    やれること全てやって・・・

    洗浄を続け、点滴して排液を促します。

     

    そして数日。

    すごく元気(^ ^)

    食欲もでて、面会に来た飼い主さんもMちゃんのいい表情を見て一安心。

     

    やってる私は…

    この後どうしようかなと・・・・・・・

    日々悶々と。

     

    とはいえ、実際にはやるべき検査があって、その結果によってその後の手段も決定するのですが。

     

    デバイス入れないとダメパターンは、

    嫌だなぁっと、その後大変だよなぁって。

     

    そんな思いを巡らせながらも、状態が良くなったので例の検査(結構おなじみのやつ)。

    IMG_6663.JPG

    閉塞していた結石はラッキーなことに腎臓内に戻り、尿管の疎通も良いようです。

     

    今後も結石が落ちてくれば再発するでしょうが、

    飼い主さんには、今後の再発リスクとデバイスを入れた場合の管理のリスクとを理解していただいた上で、

    今回のところは2回目の手術で腎瘻チューブ抜いて様子見。

     

    Mちゃん、無事に退院(^ ^)

     

    1ヶ月後の診察でも、腎臓の流れはいいようです。

    とりあえず、良かった。

     

    もう少し、長生きしていい時間を過ごせれば。

    みんな願いは一緒です。

     

     

    おおくぼ動物病院 www.okubo-vet.com

     

     

     

     

     

     

     

     

     

     

     

    2020.07.05 Sunday

    犬の膀胱腫瘍(移行上皮癌) 水腎症 腎後性腎不全 手術

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      犬の膀胱内にできる癌の第一位は、移行上皮癌です。

       

      このブログにも何度かでてきている名前の癌ですが、

      根治は難しい種類の癌ですので、なかなか明るい話もできないため

      これまで詳しく書くことはあまりしてこなかったのですが、

       

      今回は、飼い主さんの了承も得て(もちろんいつもの内容全てそうですが)。

      あえて、病気の進行とそれに伴う障害を書こうと思います。

       

      一般的に約90%の移行上皮癌は、膀胱出口付近の三角部といわれる部分に発生します。

      残りは、先端(頭側)を含める部分に発生。

      膀胱三角部には、左右腎臓からくる尿管が合流し、最終的に排尿される尿道へと繋がっています。

      そのため、癌ができることによってそれら尿管や尿道の流れが障害されてしまうことがあります。

       

      くわえて、移行上皮癌自体も非常に浸潤性や転移性、播種性に富んでおり根治が難しい癌です。

      できる場所が血流の豊富な膀胱粘膜なだけに、周辺のリンパ節や骨盤などの骨に転移、

      最終的には肺転移までみられます。

       

      なかでも、骨転移は痛みが出てくることが多く

      過去にはその痛みのを理由に安楽死となった子も経験しています。

      もちろん、肺転移も大変で約2/3の肺がやられてしまうと呼吸困難の症状もはっきりと現れます。

       

      今回のブログは、そんな大変な癌を抱えてしまったMちゃんの話です。

       

      うちの病院に来たのは、去年の暮れ。

      それまで診てもらっていた病院でも、膀胱癌を疑われていて治療を継続していたのですが、

      より詳しく診てもらいたいとの希望で当院を受診されました。

       

      お母さんからの情報だと、

      最初にできていた癌の場所は頭側部、ほかにもポリープらしきものも存在し

      診ていた先生も迷いに迷ったとか、もちろん頻尿や血尿といった症状はありながらも、

      ここまで来るのに、6ヶ月が経過。

      そんな今までの経過の話を聞きながら、当院で検査をした結果、移行上皮癌が濃厚に疑われ、

      癌はすでに膀胱三角部付近にまで浸潤していました。

      1.jpg

      膀胱の先端から腹側三角部にかけて、粘膜の重度肥厚がみられます。

       

      過去の話を蒸し返しても、後悔が先に立ってしまうこともあるのでなかなか話しずらいのですし、

      実際に私が診ているわけでもないので、想像の範囲を超えませんが、

      膀胱頭側部に限局していた時に上手く見つけられていれば、

      膀胱の部分摘出でうまくいっている症例も経験していますので、

      なんとも悔しい思い。

       

      とはいえ、今をどうにかしていかないといけないので、現時点でできることのメリット・デメリットの話をして、

      今後の治療についての方向性を飼い主さんと一緒になって決めなくてはいけません。

       

      画像検査では、明らかな転移の兆候はみられません(CTは無いので撮っていませんが)ので、

      まず選択肢に上がるのが、消炎剤を使った内科療法。

      抗がん剤の使用はあまり効果がないのでお勧めしていません、今後に期待です。

       

      ただこのままだと、「癌の進行は少し緩やかになるかもしれない」程度の効果しか期待できないので、

      癌の浸潤により、尿道閉塞(排尿困難)や尿管閉塞(水腎症・腎後性腎不全)などの合併症が起こり、

      もちろん転移も起こってきます・・・

       

      これでは、進行が抑えられないので「困った」となると、外科治療。

      この時点で最も積極的な治療は、膀胱全摘(さらにやるなら尿道も全摘)と尿管-膣吻合。

       

      膀胱全摘の手術は、手術侵襲もありますし、

      メスの場合だと尿管を膣に吻合させるので尿は垂れ流しになりオムツ生活となります。

      オスの場合だと、包皮に開口させ、こちらもオムツ。

       

      じゃあ、ここまでやってその後どうか・・・

       

      所属していた大学病院のデータでは、中央生存率(平均)においては内科治療と倍ほどの差はありません。

      しかし長期生存している子は、外科手術を受けて年単位の生存を得ていることも事実です。

      くわえて、尿道閉塞や尿管閉塞による腎不全は回避できるかもしれません。

       

      もちろん、吻合した尿管に再発すれば再閉塞を起こすことも考えられます。

      結石などの尿路変更術でも再手術なんてことがある分野ですから、相手が癌ならなおさら可能性があります。

       

      現在の獣医学では、膀胱移行上皮癌の根治ということはいずれの方法にしても困難。

      膀胱全摘出も尿路変更の手術も、全ては排尿コントロールを目的とした姑息的な手術の位置づけとなっています。

       

      ここをどう考えるか?

      正直、我々獣医師でも腫瘍科の先生と、泌尿器科の先生とは考え方が異なる場合があります。

       

      そして、今回のMちゃんご家族とも、何度も何度も話し合い。

      結果、膀胱全摘出は行わないことで、内科治療の継続をご希望されました。

       

      とはいえ、2ヶ月後には。

      2.jpg

      三角部から尿道にかけても怪しくなり。(この時点では頻尿血尿以外の合併症はありません)

       

      さらに、3ヶ月(うちに来てから6ヶ月)

      3.jpg

      膀胱の左側を中心にかなり進行。

       

      徐々に左側の腎臓の流れが悪くなり始めました。

      そして今月(うちに来てから7ヶ月)、いよいよ腎臓の数値も上昇。BUN60 Cre2.0

      Mちゃん自身も少し生活に乱れが生じ始め。

      4.jpg

      左の腎臓はご覧のように、水腎症・水尿管症が進行しています。

       

      5.jpg

      右の腎臓自体は、まだ大丈夫ですが。

      尿管を追いかけていくと・・・

       

      6.jpg

      膀胱付近でだいぶ障害されてきています。

       

      この時点で、発症からは1年以上。

      経験的にものすごく早く進行するやつと、ゆっくり進行するやつといるような感じがしますが、

      この癌を抱えて、本当によく保ってくれています。

      未だ、画像診断では、明らかな転移はありません。

       

      飼い主さん家族と・・・「うーん、どうしようか??」「左腎臓から膀胱へのルート作りますか?」

      考えなくてはいけないポイントにきました。

       

      腫瘍死(転移等により全身に広がった状態)の前に、腎不全で亡くなってしまうこともありえます。

       

      そして私にいたっては、やるやらないの問題もそうですが、

      どうやって(何を使って)治めるかも考えなくてはいけません。

       

      一昔前なら、尿管ステント。

      これは今更やるには、術後の成績も考えて・・・??

      入れるために膀胱切開も必要になってくる可能性があるので不可。

       

      現在は、SUBシステム

      いいけど、デバイス自体が高価すぎる。

      結石症例のように、年単位の維持を狙った手術であれば迷わず使っていますが、

      今回は、移行上皮癌。

       

      実際に飼い主さんとの話し合いの中で、あとどのくらい保ってくれるのか?

      2〜3ヶ月?6ヶ月?

       

      そこで候補に挙がったデバイスがこれ。

      手元に持ってはいたのですが、どの症例に使うべきか迷っていたデバイス。

      SUBのように設置後の洗浄はできませんが、管は明らかに太い。

      SUB 6frに対して ティアレ 10fr。

      価格は、半額以下。

       

      個人的な考えかもしれませんが、

      このようなシチュエーションの手術(デバイス)は治療費も考えなくてはいけないと思っています。

      ただし、初めて使うので私の中で実績がありません。

      実験的になってしまうかもしれません。

      Mちゃんの尿ももちろん感染しているので、チューブ内の閉塞のリスクはあります。

      言い方は、問題あるかもしれませんが「チューブと癌の進行と追いかけっこ」。

       

      今回の話し合いは、本当に包み隠さず、本当に腹を割って。

       

      飼い主さんも、

      「まだ頑張れそうなので、腎臓の手術お願いします」

      「先生の提案のデバイスでやってみます」 との返事。

       

      準備をして、もう一度直前に話し合って。

      手術は無事に終了。

      1493_suda^momiji==_07-02-2020 15_06_29_2-1.jpg

      翌日の腎臓の数値はほぼ正常値。

      7.jpg

      やや腎盂拡張していますが、腎臓らしい姿に戻って。

      Mちゃんも入院中は美味しいもの食べて、元気に帰って行きました。

       

      当然のことながら、癌を患っているわけですから本人は具合悪いでしょう。

      今後も、もちろん経過観察は必要ですが、

      腎臓に関してはこのデバイスで数ヶ月うまくいってくれれば!!

      残りの右腎も、尿道も。

      転移した時の痛みのコントロールも・・・・・

       

      いい時間をどれだけ過ごしてもらえるのか。

      これからもサポートして、後は願うばかりです。

       

      おおくぼ動物病院 www.okubo-vet.com

      2020.05.04 Monday

      猫 アメショー 結石 水腎症 手術 尿路全部を作りなおすの巻

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        新型コロナウイルスの影響で外出自粛が続いていますが、みなさまいかがお過ごしでしょうか?

        そんな、ウイルス蔓延の時期でも、動物は関係なく具合が悪くなります・・・

         

        今回は、おなじみの尿管閉塞、水腎症に尿道閉塞まで起こした、12歳になるLちゃんのお話です。

        最初に言っておきます。

        今回長いです。

        途中の事柄はだいぶ削っていますが、全部書いたら短編小説ができそうです。

        文章の長さは入院の長さに比例していると思って読んでください。(^_^;)

         

         

        最初の連絡は、公私ともに仲の良い同級生の先生からの電話でした。

         

        「知り合いの先生のところに、水腎症の猫がいるらしいんだけどみてもらえるかな?」

         

        「もちろん、いいよ!」「で、どこから来るの?」

         

        「三浦。っていうかほとんど油壺。」

         

        「まじ!!遠い!!うちはいいけど、大丈夫なの?」・・・

         

        そうこうしていると、主治医の先生からも連絡があり、飼い主さんもLちゃん連れて来院。

        いいのか悪いのか、外出自粛のため道路が空いていて、通常の半分の時間で到着したとか。

         

        問診では、Lちゃんは食欲も元気も全くないとのこと。

        早速、検査をしてみると。

        腎臓から尿管、膀胱内まで結石だらけ。

        L1.jpg

         

        左右の腎臓はもれなく閉塞性の水腎症。

        右1.jpg

        左1.jpg

         

        血液検査も、腎パネルは測定値オーバー&Cre 11.9 

        貧血傾向にもあります(腎機能が低下するとよくあることです)。

         

        さあ、どうしましょう??・・・

        ブログ読んでいる方々はおなじみの処置です。

         

        そうです、腎瘻チューブを設置します。

         

        この状態では、短時間の麻酔しか行えません。

        開腹して、素早く左右の腎臓にチューブを挿入。

        流れていない腎臓内の尿とこれから作られる尿を体外に排泄させるルートを作ります。

         

        そんな、リスク大ありの第一段階の手術も何事もなく無事終了。

         

        ピンクの即席術後服がかなりお似合いの今回のLちゃん、本当に性格が良くて(^ ^)

        初対面で術後にも関わらず、お腹出してアイドリング(猫のゴロゴロの音です)。

        長丁場の治療において、性格の良さは本当に助かります。

         

        治療はここからが本番。

        徹底的に点滴をして、腎機能の改善に努めます。

        待つこと数日、徐々に改善していき、Lちゃんもかなり具合よさそう。

         

        そんな、アイドリング全開のLちゃんも次のステップ。

        再度お腹を開けて、腎瘻チューブを抜き、その穴にSUBを設置。

        同時に、膀胱内に無数に貯まっている細かな結石も除去。

        貧血の進行もなんとか踏みとどまってくれて、

        こちらも無事に終了。
        L3.jpg

        尿に感染も起こらず、ベストなタイミングでSUBの設置もできて。

        通常はこれで、安定すれば退院!!

         

        っと思いきや・・・・・12年ものの結石。そんなに甘いのもじゃありませんでした。

         

        SUB設置した翌明け方。

        なんか、顔つきがおかしい・・・

         

        排尿が・・・ない(−_−;)

        L4.jpg

        朝スタッフが来てレントゲンで確認すると、

        それまで尿管に詰まっていた結石が数個落ちてきて

        今度は尿道に閉塞。

        膀胱にも細かな結石が。

         

        こんなことって・・・

         

        落胆していても事態は改善しないので、カテーテルを尿道に挿入して、解除。

        尿管の中には、今にも落ちて来そうな結石があと1つ。

        念のため、SUBも洗浄すると、そちらはそちらで細かな結石がしっかり回収されます。

         

        となると、たまたま詰まった1個の結石だけではなく、今後も腎臓から細かなCa結石がSUBを通って落ちて来る。

        今すぐに膀胱切開で結石回収しても、意味がなく。

        貧血も少し進行しているので、輸血してからじゃないとこちらの条件も麻酔リスクが高くなる。

         

        「尿道に詰まったら解除するってことで、結石の増え方も観察がてら少し様子見ましょう」

         

        その翌日も詰まり・解除して・・・

        解除さえしてしまえば調子のいいLちゃん。

        ここまでの入院もだいぶ長いので、

        飼い主さんと話し合いの結果、三浦のご自宅へ一時退院しました。

         

        今後は、尿道につまらなくするために会陰尿道瘻の手術を計画しなくてはいけません。

        しかも、その手術も尿道を直接皮膚に開口させる方法では、

        のちに開口部が狭くなり通常の猫の出口と同じになってしまうため

        年単位の維持を考えると、いつも行なっている尿道を再建するような方法でバッチリ成功させないと・・・

         

        今までこの手術を行った子たちはみんなうまくいってます。バッチリおしっこ出てます。

         

        ある1例を除いて・・・あの子のことが頭をよぎります・・・

        その子は1歳になるときに尿道閉塞を起こし第一段階の手術を行ったのですが、

        炎症がひどく、再建した尿道が2週間ほどで閉塞。

        2回目の手術では皮膚に直接開口せざるおえなくなり、結石がストラバイトだったからいいものの、

        2年くらい経ったときには、通常の猫の大きさの穴になっていました。

         

        今回のLちゃんは、コントロールできないCa結石。

        通常の猫の大きさになってしまう手術は意味がありません。

        一発でうまくいかせないと、絶対にダメ(T ^ T)

         

        そんなプレッシャーとともに、もう一つ難問が。

        再建するタイプの会陰尿道瘻の手術を行うと、4〜5日は患部にカテーテルを留置して、

        縫合した部分が尿に触れないようにしておかなくてはいけません。

        そうなると、せっかく感染もなく設置したSUBですが、間違いなく感染を起こすことが予想されます。

        SUB管理の最大の敵は、感染です。

        チューブの内部が汚れ、ドロドロした尿が、閉塞を招きます。

         

        飼い主さんにも、この辺のリスクとそれでもやらなきゃダメな状況も十分理解してもらい。

        一時退院もつかの間。正確には5日間。

        やっぱり、尿道に詰まりました。

        そのときには、案の定膀胱内には細かな結石もいっぱい。

         

        幸い貧血が改善傾向にあったので、やります、やるしかありません。

        っと、決心したその日の尿には、

        すでに感染が(T ^ T)

        やる前から・・・

        カテーテル操作ですぐに感染が成立してしまうSUB、着実に追い込まれている感じ・・・

         

        そんな私を尻目に、Lちゃんは相変わらず腹出しとアイドリング!!!癒されます(>_<)

         

        気持ちを立て直し、いざ会陰尿道瘻。

        おのずといつも以上に慎重になってしまいます。

        「よし、順調!尿道切開して・・・」

        「あれっ!!!」

         

        普通なら8fr(約3mm径)が余裕で入るはずの尿道が、狭い!6frしか入らない!!!

        完全に見えない何かに試されているとしか思えません。

         

        まあそんな3度目の手術も、無事に終了。

        尿道からは、先日詰まった結石も流れ出してくれました。

        その後は、通常よりも少し長く入院してもらい、SUBの洗浄をすること数日。

        つまりもだいぶ綺麗になり、おしっこもバッチリ出て、Lちゃんもいい顔に。

         

        心配していた、腎障害の程度もほぼ正常値に近い状態。

        感染は持続するものと思われるので、今後もしっかりとケアが必要ですが、

        なんとか一件落着、本退院となりました。

         

        飼い主さんも、笑顔。

        長く入院したせいで、私もスタッフも癒し系Lちゃんが居なくなるのは、少し寂しい気もしますが。

        元気に帰ってもらうのが一番。

         

        長かったぁ。

        そして、勉強になったぁ。

         

        2日間休憩した後は、また違う病院からおしっこが出ない猫が・・・

        Lちゃん退院の最中に、先ほど話に出て来たあの子も結石の再発で数年ぶりに・・・こちらもなんとか無事に退院。

         

        猫のおしっこ問題は、コロナウイルス自粛とは無縁のようです。

        私も、皆さんもウイルス感染して具合悪くなってる場合じゃありません。

         

        気をつけましょう!!

         

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        2020.02.01 Saturday

        オス犬の膀胱結石 尿道閉塞 おしっこが出ない

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          今回は、オス犬の膀胱結石についてのお話です。

           

          今年に入って、

          膀胱結石による排尿困難の手術がもう4件。

           

          泌尿器やってるからといってもここまで集中すると、みんなでびっくり。

           

          そうは言っても、当のワンちゃん達はおしっこが出ないわけですから、

          それぞれ辛い思いをしながら飼い主さんに抱えられて来院します。

           

          このブログには何度も話に出てきている結石。

          リン酸マグネシウム(ストラバイト)・シュウ酸カルシウム・尿酸アンモニウム・シリカなど・・・

          結石成分の種類は様々。

           

          どの成分がああとかこうとか、そんなことはともかく。

          オス犬は、1個の結石だったとしても詰まるときは詰まります。

           

          マメチ.jpg

          この子の場合は、発見しずらい尿酸アンモニウム結石だったため、尿道造影写真で紹介します。

          たった1個ですが、排尿はポタポタしか出ません。

           

          てん.jpg

          この子の場合は膀胱にも大きな結石があって、すでに尿道に詰まっていますが、排尿はできていました。

           

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          過去の症例ですが、尿道内にズラッと結石が並び、膀胱内にも多数。思いっきり排尿困難。

           

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          この子は、尿道造影したかのように尿道内は結石で満たされていました。

           

          結石はあっても、意外と排尿できていたりすれば飼い主さんも気がつかないことも多く。

          たまたま撮ったレントゲンに写ったりすることも多々あります。

           

          ただそのとき排尿できていたとしても、いずれ詰まることが予想されますので、

          私としては手術による積極的な結石摘出をお勧めします。

           

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          2019.12.29 Sunday

          犬の膀胱内腫瘤あれこれ 良性ポリープと移行上皮癌

          0

            いよいよ今年も終わりに近づいていますが・・・

            年末感は例年どうり全く感じることもなく、年賀状も終わらず。

            とにかく、無事に今年が終わることを願うばかり。

             

            皆さんは、年越し準備進んでいるのでしょうか?

             

            そんなことを願い、グダグダしていてもやってくるのが病気の子たち。

            今回は、このところ重なっている、犬の膀胱内腫瘤のお話です。

             

            膀胱にできる癌(腫瘍)といえば、移行上皮癌が最もポピュラー。

            非常に悪性度が高く、転移性・浸潤性が高い癌として有名です。

             

            一方、癌とは違い慢性膀胱炎などが原因でできる、良性の腫瘤(ポリープ)もあります。

             

            症状としてはどちらも似ていて、血尿や頻尿といった膀胱炎症状が一般的。

             

            多くは、エコー検査にて膀胱内に腫瘤が観察されます。

             

            細かい呼び名は、ともかくとして、

            まずはその腫瘤が何者なのか?

             

            診断するためには、カテーテル吸引生検による細胞診を行います。

            膀胱内病変の位置に、尿道より挿入したカテーテルの先端をキープ、あとは注射器で吸って陰圧をかけます。

            その後、取れてきた細胞の異型性などを観察(多くは、病理専門医に診断をゆだねます)。

             

            癌が疑わしいのか?それほど悪そうじゃないのか?

            確定診断は、あくまでも組織検査となるのでこの時点では、「疑わしい」止まりとなります。

             

            膀胱鏡(内視鏡)があれば、組織を採取可能ですが・・・うちの病院にはありません(欲しい・・・)

             

            また現在は、そのような細胞診と合わせて、細胞のBRAF遺伝子変異の有無を検査することで、

            完璧ではないもののかなりの確率で癌が検出できるようになりました。

             

            以上、ざっくりとした感じの説明ですが、このような間接的な検査の結果を踏まえて、

             

            外科的に膀胱内の腫瘤を切除?(膀胱を残せる場合と残せない場合があります)

             

            内科的に消炎剤で経過観察?(癌の場合でも、状況や希望により内服で治療することもあります)

             

            飼い主さんと治療方法の話し合いとなります。

             

            抗がん剤投与では、なかなか効果が見られない移行上皮癌。

            未だ治験の段階かと思いますが、分子標的薬の投与で少し?効果があるとか、ないとか?

             

            何れにしても、膀胱内に腫瘤性病変が見つかった場合には、まずは何者か?を検査。

            その後、治療計画を検討。という順番になります。

             

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            高齢だったこの子は、膀胱頭側部に腫瘤性病変を発見、炎症性(良性)の変化。

            消炎剤の投与により消失。

             

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            この子の場合は、膀胱三角部を含む数カ所に腫瘤性病変を発見。

            三角部腫瘤は癌も疑いたくなりますが、細胞診・BRAF共に良性を示唆。

            消炎剤と慢性膀胱炎を治すための手術により消失。

             

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            この子の場合は、移行上皮癌(膀胱から尿道にかけて癌が浸潤しています)。

            飼い主さんも膀胱〜尿道全摘のような手術は望まれなかったため、内科治療を行なっています。

            通常すぐに排尿困難などの症状が出てきますが、排尿・腎臓良好で頑張って1年以上生きてくれています。

             

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            この子は、健康診断でたまたま見つけました。

            位置からすると尿管開口部の可能性もあるため、経過観察1ヶ月後の再検査で増大傾向なら診断に移ります。

             

            膀胱内腫瘤、あれこれ。

            診断してからが勝負となります。

             

            今年も色々な子を診させてもらいました、多くの先生からのご紹介もあり大変勉強になりました。

            年が明けてやること満載のような雰囲気になっていますが、今夜は病院スタッフと忘年会。

            日頃のみんなの頑張りを労いたいと思います。

             

            みなさま良いお年をお迎えください。

            年賀状は、明日かなー????

             

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            2019.12.01 Sunday

            犬の水腎症 尿管結石(尿管閉塞) 手術 術後膵炎

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              このところ、診ることが重なっている犬の水腎症。

              言わずと知れた、シュウ酸カルシウム結石による尿管閉塞により起こります。

               

              多発している結石に対して、猫ならば迷わずにSUBシステムを設置するところですが、

              犬の場合は???

               

              個人的(おつきあいしている先生方も)には、犬にSUBシステムを入れる気になりません。

              どうしても仕方がなければ入れることも検討するのでしょうが、

              経験的に、犬の方が猫よりも尿路感染症が激しいことが多いので、

              「入れてはみたものの、ドロドロのおしっこですぐに詰まる」なんてことが簡単に予想できますし、

              異物への反応も、もともと犬の方が出やすい。

               

              予想ができているのに、とりあえず入れてみるなんて仕事は・・・できません。

              なので、飼い主さんにもその辺のところを理解して頂き、

              尿管切開や尿管転植(膀胱へつなぎ直す)など軟部外科手術で地道に対応していきます。

               

              現在も数頭、管理しているワンちゃんがいますが、

              石は残ったままだったり、水腎症も完全には治っていなかったり。

              それでもみんな何とか腎臓機能も維持しており、良好な生活を送っています。

               

              そんな犬の尿管閉塞、水腎症。

              今回は、友人の病院からの紹介でいらしたトイプードルのHちゃん、11歳、男の子。

               

              実は、来院の2週間前に膀胱結石の手術を任され、うちの病院で行いました。

              その時点でも、左右の腎臓内と左尿管には多数の結石をみとめ、造影検査により腎機能と尿管の疎通を確認したばかり。

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              タイムリーに尿の流れが滞っていなければ、切る必要もないので、

              「水腎症にならなければいいけどね」と言って、みんなでお祈り・・・・

               

              そして数日前、そんなお祈りも効果なく、左右の腎臓〜尿管はおもいっきり水腎症・水尿管症。

              腎臓の数値も若干上昇気味。

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              「これはもうやるしかない!」ということで、入院してもらい早速手術です。

              • 右の尿管は、腎臓から出てすぐのところで1センチ近くの結石が閉塞、尿管切開により摘出。
              • 左の尿管は、膀胱手前で多数の結石により閉塞してしまっているため、その部分で尿管を切断し膀胱へ再吻合。
              • Hちゃんは高齢になってきた事もあり、膀胱が骨盤に入り込んでいるため再吻合した尿管のテンションを逃がすため、膀胱(前立腺)を前方へ固定。

              一気に3つの手術を行い、少々時間はかかりましたが無事終了。

               

              ただし、左右の腎臓内には、エコーで見ていても細かい結石が舞っているのが確認できます。

              再閉塞のリスクも当然ありますが、「とにかく、これで様子見よう」ということで、経過観察。

              尿管吻合部のカテーテル留置期間もあるため、数日間の入院は必須です。

               

              そんな入院生活も、手術翌日は良かったのですが・・・

              腎機能が低下、徐々に腎臓の数値が上昇していきます。

              加えて、尿培養検査から返ってきた答えは、耐性菌の感染。(腎盂腎炎も疑われます)

               

              さらには、膀胱に再吻合した尿管へ留置しているカテーテルからは尿が確認できるのですが、

              膀胱に貯まる尿がイマイチ少ない。(右の腎臓が機能を失いつつあります)

               

              腎機能を保つために、点滴薬の追加、感受性試験に沿った抗生物質も投与。

               

              治療すること数日、少しずつ尿量も確保できるようになり腎臓機能も改善傾向に。

              良かった!なんてホッとしたのもつかの間。

               

              今度は、嘔吐が始まりました。

              胃が全く動いてない・・・!!!「急性膵炎」です。

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              エコーでみる十二指腸も、教科書に出てくるようなコルゲートサイン。

              膵臓の周辺には、腹水も貯まってきています。

              一難去ってまた一難。

               

              腎機能保護と一緒に、膵炎の治療も始まりました。

              膵炎の治療は、嘔吐を抑え、全身性に広がる炎症をしっかり抑え、最終的には強制給仕して食べさせて治す。

              これしかありません。

               

              炎症のサイクルを抑える薬剤を2剤、これでもか!的な気持ちで使用

              (当病院では、このパターンで使用する機会が多いです)。

               

              先日聞いた発表で、膵炎にステロイドが効果的と言ってましたが、

              術後で感染症もあるこんな状態では、全く使用することはできません。

               

              とにかくなんとか、もちこたえてくれるように、徹底的に治療することさらに1週間。

               

              時間はかかりましたが、Hちゃん、退院です。

              IMG_6013.JPG

              1週間後の再診の時には、元気で食欲もバッチリ!

              気になる膵炎の値も正常値。

              左右の水腎症は、未だ残っていますが、再吻合した部位も問題なくもちろん腎臓の数値もOK!

               

              今後も注意して観察していかなくてはいけませんが、とにかくこれでひと段落。

               

              本当に良かった・・・(最高に気持ちが入ってしまってます)。

              どの手術もそうですが、ぜひすんなり終わっていただきたい。

              そう願います。

               

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              2019.07.30 Tuesday

              猫 おしっこが出ない 膀胱結石 膀胱アトニー(膀胱弛緩)

              0

                最近は、尿管閉塞の話ばかりですが。

                今回は、オーソドックスな?膀胱結石による尿道閉塞から併発した病気の話です。

                 

                ある日、飼い主さんが猫のRちゃんを連れて来院されました。

                「かかりつけの先生に、先生のところを紹介されて連れてきたんですけど」

                 

                「???」

                経緯を詳しくお聞きすると、どうやら後輩の病院にかかっている様で。

                「おしっこが出ない」とのこと。

                それはやっぱり、うちに来ますよね。

                 

                ってな感じで、後輩に連絡し飼い主さんの情報もきちんと得られ、早速診察。

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                レントゲンでも、膀胱パンパン。

                膀胱内に無数にある、細かな結石が尿道にバッチリ詰まっています。

                これじゃあ、おしっこも出ませんので、尿道内にカテーテルを挿入し開通。

                おしっこを抜いて、膀胱内も洗浄してできる限り結石を回収。

                 

                それでもまだ詰まるので、手術により膀胱内の結石を取り除くことに。

                手術自体は、いつもの通り行ったのですが。

                今回のRちゃん、膀胱のコンディションがものすごく悪い。

                それは、乾燥したのし餅の様に硬く、ちゃんと収縮してくれません。

                「これは、参ったな・・・」

                 

                とにかく手術の目的は結石の摘出ですので、素早く終わって無事に覚醒。

                 

                その後経過を見てみたのですが・・・

                自分で言うのもなんですが、あんなに完璧に取り残さず摘出した結石が、4日後には再発。

                しかし、尿道に詰まる様子は、なし。

                でも、排尿困難。

                 

                何度か、尿道造影もしてみるものの、詰まっている様子もなく。

                もちろんカテーテルもスムースに挿入可能。

                 

                「こうなると、あの膀胱が原因だな」ってことになり。

                再度膀胱造影すると。

                縮まりません。膀胱はベッチャーっと形を残したまま。

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                これ、膀胱アトニーです。

                膀胱が弛緩してしまい、収縮する力を有していません。

                こうなると、尿道は開通していてもおしっこは、容量オーバーで押し出される様に出るのみ。

                しまいには、Rちゃんもおしっこするのを諦めてしまう様に。

                 

                今度は、アトニーの治療です。

                アトニーの治療は、まずは1週間を目安に膀胱を収縮させたままにしておくことが有効です。

                 

                なので、カテーテルを挿入しっぱなしで常にポタポタ。

                入院。お尻の周りは、おしっこでべちゃべちゃ。(気持ち悪いでしょうが仕方がありません)

                飼い主さんには「とにかくこれで様子を見ましょう!」

                 

                と言って、預かった翌日。

                カテーテル抜けてます( ;  ; )

                カラーもして、カテーテルも短くして(いつもならこれでバッチリうまくいくのに)

                 

                じゃあ今度は、カテーテル入れて飼い主さんの自宅で管理。

                やっぱり抜いちゃいます(T ^ T)

                飼い主さん曰く、Rちゃん、前足使って器用にカテーテルの先端を押し付けて自分で抜いちゃってます。

                 

                その後何度かこのターンを繰り返し。

                飼い主さんも私もだいぶ疲れ果てたその時。

                「先生、オムツってどうなんでしょう?」と飼い主さんからの提案。

                「えー!オムツですか?!そりゃあ着けててくれるんならいいでしょうけど、カテーテルさえも気にするのに・・・」

                「でも、やってみましょう!とにかくなんでもやってみましょう」

                 

                っと言うことで、カラーしてカテーテル入れてオムツして自宅で管理。

                 

                するとどうでしょう!!!(ビフォーアフターみたいですが^^;)

                 

                「先生!!!オムツいいみたい!!!全然問題ない!!!!」

                「ほんとですか!?いいならそのままいきましょう!!」

                飼い主さんと2人で大興奮。

                 

                カテーテルは気になるのに、オムツは大丈夫。

                Rちゃんどんな神経してるのか?

                「普通オムツの方が気になるだろ」ってスタッフとも大盛り上がり。

                 

                とにかく、オムツ作戦が功を奏し、カテーテル生活も1週間経過。

                併用していた膀胱を収縮させる内服薬と結石を溶かす食事とで、自力で排尿できる様になりました。

                 

                その後も、内服薬を減薬して経過観察中ですが。排尿はしっかりと1日2回ペース。

                毎月来る飼い主さんの顔も笑顔。

                おしっこが出る様になったRちゃんも病院嫌そうですが、心なしか笑顔。

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                よかったです。

                長いこと獣医師やってますが、動物の気持ちって本当にわからないものです。

                 

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                2019.07.01 Monday

                猫の尿管結石(尿管閉塞) 水腎症が消えた その2 SUBシステム 手術

                0

                  先月お伝えした、水腎症が消えたHちゃん。

                   

                  順調に経過したかと思ったら・・・

                  1ヶ月後再発。

                  消えた水腎症は、再び出現。

                  そんなに甘い状態ではなかった様です。

                  1.jpg

                   

                  前回のブログにも書いたとおり、飼い主さんも理解してくれていてすぐに手術。

                  SUBシステムを設置。

                  手術時間も1時間程度で無事に終了。

                  1372_takenaka^hotate==_06-22-2019 21_20_24_1-1.jpg

                  1372_takenaka^hotate==_06-22-2019 21_20_39_1-2.jpg

                  腎臓に貯まっていた尿は、真っ赤っかの血尿。

                  設置後その血尿は2−3日続きましたが、その後は綺麗なオシッコに。

                  食欲も出てくれて一安心です。

                   

                  若干の問題はあるものの、順調に経過してくれています。

                   

                  今後は、SUBシステムの観察とともに右側の腎臓もみていかないといけません。

                  まだ、5歳と若い子ですから長く生きてもらわないと困ります。

                   

                  猫の尿管閉塞、やっぱり大変な病気です。

                   

                  おおくぼ動物病院 www.okubo-vet.com

                   

                   

                  2019.06.01 Saturday

                  猫の尿管結石(尿管閉塞) 水腎症が消えた

                  0

                    今回は?今回も?

                     

                    猫の尿管結石。

                    やればやるほど奥が深いというか、いろいろなことが起こるというか...

                     

                    ペルシャのHちゃん。

                    なんか食欲がなくて、

                    吐くこともあるとのことで来院。

                    この子も、以前の検査で腎臓内に結石があることはわかっていたので、すぐにエコー。

                    1.jpg

                    左の腎臓が、バッチリ水腎症です。

                    尿管を追っていくと、腎盂から出てすぐに見えなくなっており、尿管炎を疑う所見。

                    この時点では、結石による閉塞ではありませんでした。

                     

                    続けて行った血液検査では、腎臓の項目はほぼ正常に近い値。

                     

                    前回4月のブログに登場した、Gちゃんのことが頭によぎります。

                    飼い主さんにも、「前回こんな症例がいたんですよ」なんて話しながら、

                    「機能してなかったら摘出も考えなくてはいけませんね」なんて。

                     

                    こんなマニアックな病態が、2件も続くのか??なんて考えていても仕方がないので。

                    今回は、IVP(静脈性尿路造影)を実施。

                     

                    しばらく待ってみると、左の腎臓、染まってきました!!!

                    尿管閉塞は起きているものの、懸命に動いているようです。

                     

                    これなら!!

                    通常の対応は、「腎瘻チューブ」尿管を休ませて経過観察。

                     

                    と言いたいところですが、当のHちゃん。

                    めっちゃシャイボーイ。

                    今回の検査も、最初のうちは唸りながらも我慢してくれていましたが。

                    最後の最後に大ギレ!飛んでいっちゃいそうになり、みんなで必死に取り押さえる始末。

                     

                    これでは、入院のお世話に手がかかる腎瘻チューブの設置は困難。

                    大暴れで抜けちゃった日には、目も当てられません。

                     

                    そんなわけで、飼い主さんももちろんそんな性格分かっているので、

                    しばし、皮下点滴の継続と炎症を抑える内科治療で様子を見ることに。

                     

                    が、そんなに甘くないのが猫の尿管閉塞。

                    終いには、腎臓内にあった結石までコロコロっと落ちてきて。

                    水腎症も立派な感じに。

                    2.jpg

                    ここまでくると、飼い主さんとも随分と話し合ってきてるので、お互いの意思疎通もOK。

                    「SUBシステムにしましょ」

                    「そうですね、それが良さそうですからお願いします」

                    「じゃあ明日準備してやりましょう」

                     

                    そして当日。

                    Hちゃん、案の定お怒り気味。

                    ここはもう麻酔をかけて、さあ手術。

                     

                    っと、毛刈りするその前に

                    「念のため腎臓みておこう!」

                    「エコー用意して!」

                    とスタッフに一声。

                    麻酔がかかって寝ているので大急ぎで当てなくても大丈夫。

                    なんて、思う間も無く。

                     

                    あれ!?こっちの腎臓だったよね!?

                    まさに2度見

                    3.jpg

                    それは2度見するまでも無く。

                    水腎症改善しています!!

                     

                    昨日は石まで詰まってたのに、結石は腎臓内に戻り。

                    水腎症改善してます。(2回言っちゃってます)

                    同じ腎臓とは思えません。

                     

                    こうなると、手術できません、というかやる必要ありません。

                    「直前のチェックって大切だな」と改めて痛感。

                    麻酔を覚めさせつつ、飼い主さんに連絡。

                     

                    「治っちゃってます。手術必要ありません」

                    「え?!手術しないんですか?」っと飼い主さんしばし困惑。

                     

                    覚醒後改めてきてもらい、一緒にエコー検査。

                    「ほら、治っちゃってるんです」

                    「ほんとだ!!手術しないんだ・・・しない方がいいんですよね?!」

                    この感じ無理もありません。

                     

                    「しない方がいいんです」

                    「でも、再発すると思いますから、タイミング見て次はシャッとSUB入れましょう」

                    「で、す、ね・・・わかりました」

                    この感じ・・・気持ちはわかりますが。

                     

                    「私自身も、こんなことが起こるなんて。思ってもみませんでしたよー!!」

                    「まあ、でも良かったですね先生!!」

                     

                    なんて、最後はみんなで笑顔。

                    Hちゃんもちょっと笑顔?さては、気合いで治したのでしょうか??

                     

                    違います。尿管は、蠕動運動をしているので、逆蠕動により結石が戻ったのでしょう。

                     

                    毎回思いますが、こんなことやってるといろいろな経験ができます。

                    今回みたいにうまく治ってくれる子ばかりがいいです。

                     

                    おおくぼ動物病院 www.okubo-vet.com

                    2019.04.30 Tuesday

                    猫の尿管閉塞 尿管炎による尿管狭窄 

                    0

                      かなりマニアックな話ですが、

                      最近うちの病院の流行病は、尿管炎による尿管閉塞。

                       

                      根本的な原因は、腎臓内にできる結石が尿管を通過することによる炎症だと考えていますが、

                      なぜか?猫は左右の尿管炎が同時に起こるケースが多い。

                       

                      結石が見事につまって閉塞しているのならわかりやすいのですが、

                       

                      突然。

                      左右同時に。

                      しかも尿管の全域に渡って起こる。

                      そしてつまる、けど排尿もある(ちょっとは通っている)。

                       

                      厄介極まりない病気です。

                       

                      今回は、そんな尿管炎を患ったGちゃんの話です。

                      最初の来院は、いつも懇意にさせていただいている先生のところからの紹介でした。

                       

                      「先生、腎臓ぶっ飛んじゃってる!!お願いして良い??」

                      「良いですよ。連れてきてください」

                      そんな会話もそこそこに、先生自らGちゃん連れて来院されました。

                       

                      早速検査してみると。

                      BUN 124  Cre10.5  P8.6  しっかり腎障害。

                       

                      エコーでは。

                      1.jpg

                      左の腎臓は、萎縮し結石がある。水腎症にはなっていない様です。

                      2.jpg

                      右の腎臓は、こちらにも細かな結石はありそうですが、それ以外変化なし。

                      3.jpg

                      膀胱にも、尿は溜まってる。排尿もしっかりとありそうです。

                       

                      ????当のGちゃんは、少し元気はなさそうですが、ぐったりというわけでもない感じ。

                      「とにかく、預かって点滴始めてみます」と先方の先生に伝え入院させることに。

                       

                      ケージに入れて、点滴開始。

                      この猫、本当に食べないのかな?と思いご飯をあげてみると・・・

                      「めっちゃ食べてる」「水もしっかり飲んでる」食欲あるんだ!?

                       

                      と、こうなると、???

                      この血液の数字で、慢性腎障害(CKD:慢性腎臓病)であれば食べることはまずありません。

                      しかし、画像診断では慢性腎臓病の様な感じ。。。。。

                       

                      ちょっと違いそう。

                      ひょっとしたら、これ詰まってるんじゃない?!

                      (あくまでも経験的な勘です)

                       

                      そして待つこと、24時間。

                      もう一度エコー検査をしてみると。

                      4.jpg

                      5.jpg

                      左の腎臓の周囲には液体が漏れ(よく経験する変化です)、出口の尿管は3mmに拡張。

                      6.jpg

                      7.jpg

                      右の腎臓も、腎盂が軽度拡張して、尿管も1.5mm。

                       

                      やっぱり!!!勘は当たってました。

                      入院した時は、脱水もあったので分からなかったのですが、

                      点滴してプレッシャーかけたことで、流れが悪いことが判明しました。

                       

                      ただ、腎瘻チューブまで入れるほどの水腎症ではないので、こもまま点滴療法を続けます。

                      まあ、Gちゃん。、しっかり食べてますし、数字は高いですがそんなに心配はいらないかな。

                      なんて感じで数日。

                       

                      4日目には、しっかりと血液検査の数字も下がってくれて。

                      BUN 23  Cre 2.6 P 4.5

                      腎臓の形態も元に戻り。

                      すこぶる調子は良さそうなので、早々に退院。

                       

                      ケアホームで飼われている子なので、おじいちゃんおばあちゃんと看護の方々の元へ帰っていきました。

                      その後の再診でも、問題なし。

                       

                      次の検診は、1ヶ月後です。

                       

                       

                      こんな、猫の尿管炎。

                      最初にも書いたとおり、突然起こります。

                      水腎症になる子とならない子。

                      両側のことが多い気がしますが、もちろん片側のことも。

                       

                      バーンと水腎症になってくれれば、逆に腎瘻チューブも入れられるので回復は早いのかもしれませんが。

                      そうじゃないケースは、内科管理で押していくしかなさそうです。

                      今回みたいに、すんなり治ってくれれば良いのですが。

                      全員がそうじゃない。

                       

                      何か特別な要因がからんでいるのかも?

                      これからの経験と、症例集めと、同じ経験している先生方とのディスカッション。

                      何か新しいことが分かると良いのですが、切に願います。

                       

                      おおくぼ動物病院 www.okubo-vet.com

                       

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