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2019.07.30 Tuesday

猫 おしっこが出ない 膀胱結石 膀胱アトニー(膀胱弛緩)

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    最近は、尿管閉塞の話ばかりですが。

    今回は、オーソドックスな?膀胱結石による尿道閉塞から併発した病気の話です。

     

    ある日、飼い主さんが猫のRちゃんを連れて来院されました。

    「かかりつけの先生に、先生のところを紹介されて連れてきたんですけど」

     

    「???」

    経緯を詳しくお聞きすると、どうやら後輩の病院にかかっている様で。

    「おしっこが出ない」とのこと。

    それはやっぱり、うちに来ますよね。

     

    ってな感じで、後輩に連絡し飼い主さんの情報もきちんと得られ、早速診察。

    1410_kikuchi^ran==_03-30-2019 10_46_16_1-1.jpg

    レントゲンでも、膀胱パンパン。

    膀胱内に無数にある、細かな結石が尿道にバッチリ詰まっています。

    これじゃあ、おしっこも出ませんので、尿道内にカテーテルを挿入し開通。

    おしっこを抜いて、膀胱内も洗浄してできる限り結石を回収。

     

    それでもまだ詰まるので、手術により膀胱内の結石を取り除くことに。

    手術自体は、いつもの通り行ったのですが。

    今回のRちゃん、膀胱のコンディションがものすごく悪い。

    それは、乾燥したのし餅の様に硬く、ちゃんと収縮してくれません。

    「これは、参ったな・・・」

     

    とにかく手術の目的は結石の摘出ですので、素早く終わって無事に覚醒。

     

    その後経過を見てみたのですが・・・

    自分で言うのもなんですが、あんなに完璧に取り残さず摘出した結石が、4日後には再発。

    しかし、尿道に詰まる様子は、なし。

    でも、排尿困難。

     

    何度か、尿道造影もしてみるものの、詰まっている様子もなく。

    もちろんカテーテルもスムースに挿入可能。

     

    「こうなると、あの膀胱が原因だな」ってことになり。

    再度膀胱造影すると。

    縮まりません。膀胱はベッチャーっと形を残したまま。

    1410_kikuchi^ran==_05-06-2019 09_56_18_1-4.jpg

    これ、膀胱アトニーです。

    膀胱が弛緩してしまい、収縮する力を有していません。

    こうなると、尿道は開通していてもおしっこは、容量オーバーで押し出される様に出るのみ。

    しまいには、Rちゃんもおしっこするのを諦めてしまう様に。

     

    今度は、アトニーの治療です。

    アトニーの治療は、まずは1週間を目安に膀胱を収縮させたままにしておくことが有効です。

     

    なので、カテーテルを挿入しっぱなしで常にポタポタ。

    入院。お尻の周りは、おしっこでべちゃべちゃ。(気持ち悪いでしょうが仕方がありません)

    飼い主さんには「とにかくこれで様子を見ましょう!」

     

    と言って、預かった翌日。

    カテーテル抜けてます( ;  ; )

    カラーもして、カテーテルも短くして(いつもならこれでバッチリうまくいくのに)

     

    じゃあ今度は、カテーテル入れて飼い主さんの自宅で管理。

    やっぱり抜いちゃいます(T ^ T)

    飼い主さん曰く、Rちゃん、前足使って器用にカテーテルの先端を押し付けて自分で抜いちゃってます。

     

    その後何度かこのターンを繰り返し。

    飼い主さんも私もだいぶ疲れ果てたその時。

    「先生、オムツってどうなんでしょう?」と飼い主さんからの提案。

    「えー!オムツですか?!そりゃあ着けててくれるんならいいでしょうけど、カテーテルさえも気にするのに・・・」

    「でも、やってみましょう!とにかくなんでもやってみましょう」

     

    っと言うことで、カラーしてカテーテル入れてオムツして自宅で管理。

     

    するとどうでしょう!!!(ビフォーアフターみたいですが^^;)

     

    「先生!!!オムツいいみたい!!!全然問題ない!!!!」

    「ほんとですか!?いいならそのままいきましょう!!」

    飼い主さんと2人で大興奮。

     

    カテーテルは気になるのに、オムツは大丈夫。

    Rちゃんどんな神経してるのか?

    「普通オムツの方が気になるだろ」ってスタッフとも大盛り上がり。

     

    とにかく、オムツ作戦が功を奏し、カテーテル生活も1週間経過。

    併用していた膀胱を収縮させる内服薬と結石を溶かす食事とで、自力で排尿できる様になりました。

     

    その後も、内服薬を減薬して経過観察中ですが。排尿はしっかりと1日2回ペース。

    毎月来る飼い主さんの顔も笑顔。

    おしっこが出る様になったRちゃんも病院嫌そうですが、心なしか笑顔。

    1410_kikuchi^ran==_07-12-2019 16_28_31_1-1.jpg

    よかったです。

    長いこと獣医師やってますが、動物の気持ちって本当にわからないものです。

     

    おおくぼ動物病院 www.okubo-vet.com

     

     

     

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