2013.07.19 Friday

犬 慢性リンパ球性肝炎 肝生検 治療

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     犬もヒトと同様に肝炎になることがあります。

    年をとって肝臓が痛んでくるような慢性肝炎ならまだよいのですが・・・

    早ければ4歳くらいから起こる重度の慢性肝炎があります。

    子犬のころから診ている、M.ダックスの女の子
    いつも元気に病院に来ていたのに・・・
    突然1週間くらい前から、元気・食欲がなく時々嘔吐もみられるとのこと。

    しかも発熱があるようで、体も熱い。

    とにかく原因を知るために、検査をしました。
    すると・・・
    肝臓のダメージを示す項目はすべてスケールオーバー、くわえて胆嚢にも炎症が波及しているようです。
    このような異常を示す病気で時々出会うのが、「人間のかぜ薬を間違って食べてしまったときの中毒」最初はそんな疑いを持ちましたが、詳しく見ていくと中毒のレベルではないほど数値が上昇していました。これはただ事ではない・・・・ 
    「慢性肝炎の疑いが強い。」

    とにかく嘔吐の治療をしつつ、肝臓の保護に努めます。
    熱も下がり元気食欲も戻ったのですが、なかなか数値が下がってこない!!しかもつられて胆嚢炎も悪化。

    そこで飼い主さんと相談、
    このような慢性肝炎はステロイドに反応することが多いのですが、この子は3歳半まだ若いしこれからの薬の選択のこともあるので、きちっとした診断を下すため開腹して肝臓の生検(一部を切り取り病理組織検査を行う)を提案をしました。
    さらには、もしも胆嚢の状態も悪ければ胆嚢切除も同時に行うということで、同意していただきました。

    待つこと数日、ある程度肝臓胆嚢の数値が下がったところで、いざ開腹。


    肝臓は少し表面がデコボコして、すこし黄色がかった感じ。
    いつも見る肝臓とはやはり違います。
    胆嚢は・・・・きれい。摘出せずに温存。

    肝臓の一部を切り取って病理組織検査へ・・・さらに待つこと数日。
    「慢性リンパ球性肝炎」  診断がつきました。

    そうと決まればステロイドの投与を開始、飲み初めた翌日よりすこぶる調子が良いようで。
    飼い主さんと一緒に一安心。
    今後も薬を続けながらの生活になると思うけど、Cちゃん一緒に頑張ろう!!


    おおくぼ動物病院 www.okubo-vet.com
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