2014.06.23 Monday

血尿 腎臓からの出血 腎嚢胞(腎のう胞)

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    血尿が見られると、皆さんびっくりして病院にいらっしゃいます。
    かわいがっているワンちゃんや猫ちゃんが、真っ赤なおしっこをするわけですから当然のことです。

    そんな血尿。
    一般的には、結石の存在や膀胱炎によってみられることが多いのですが…
    別の原因もあります。

    数年前から当院で見させていただいていた三毛猫のGちゃん
    突然血尿が出たとのことで来院されました。

    話をよく聞いてみると、元気も食欲もあるのですが。。。

    飼い主さんと相談の結果、現状では膀胱炎かどうかは??とにかく治療をして反応を見ることにしました。

    待つこと1週間…
    見た目の血尿はなくなり良くなったと思いきや、尿検査をしてみると潜血反応がバッチリ見られます。
    この1週間の症状を伺ってみると、出血(血尿)の原因は膀胱炎ではない可能性が考えられました。

    さらに何もせずに1週間…
    やはり尿検査にて潜血反応が見られます。

    飼い主さんに採ってきてもらった自然尿でも潜血反応が見られ、
    病院で穿刺採尿(エコー下にて膀胱に直接針を刺し一番きれいな尿を採ります)
    という方法で採った尿においてもやはり潜血反応が認められました。

    こうなると再び肉眼的にも真っ赤な血尿が出る可能性があるため、細かく検査して出血箇所を探ります。
    血液検査・レントゲン検査・エコー検査、
    膀胱内は全く問題はなく結石の存在もないのですが、
    左の腎臓の形がおかしい、エコーで詳しく見てみると大きな嚢胞が2個あることがわかりました。
    さらに腎臓の排泄機能を見るため、静脈から造影剤を投与し腎臓と尿管そして膀胱までの尿路をレントゲンで評価しました。

    最終的な診断、血尿は左腎臓内の嚢胞からの出血が一番疑わしいということなりました。

    ここまでわかれば、飼い主さんもとりあえず一安心。
    今後も血尿が見られることもあるかもしれませんが以前のようにびっくりしなくても済みそうです
    嚢胞のある左腎臓は全体的な形がいびつになっていますが、現状では腎機能の低下もなく貧血もないため、
    経過観察として終了しました。

    血尿・・・原因は様々です。

    血尿が治まらないなどでお困りの方、お気軽にご相談ください。


    <おまけ>
    獣医療における尿検査の基本は、穿刺採尿です。
    自然排尿での採尿はワンちゃん・猫ちゃんにとって全く負担がない点はよいのですが、
    正確な尿の検査はできません(ある程度の参考にはなります)。
    膀胱に直接針を刺すのは少し抵抗があるかもしれませんが、ほとんどの子はおとなしくやらせてくれますし
    検査後に問題が起きることもきわめて少ないです。


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    2014.06.10 Tuesday

    新しい仲間

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       受付に新たな仲間が加わりました。

      先日ふらっと入ったペットショップで思わず買ってしまいました

      ベタ男とベタ次郎
      どっちがどっちかは特にないのですが、
      ご紹介にあたり一応名前っぽいものがあった方が良いかと…
      皆さん好きなように呼んでください。

      これから暑くなるので、涼しげな感じが癒されます。
      たまにしか動きませんので不安になりますが、えさもちゃんと食べてるし大丈夫かな
      もう少し多いな入れ物でも良い気がしますが、いいものがあれば引っ越しですか!?

      自宅にはでっかい金魚(オランダ獅子頭の通称オランダさん)も
      メダカもいて(これはいっぱいいすぎてどれが誰だか??)

      ・・・最近魚にはまってます

      おおくぼ動物病院 www.okubo-vet.com
      2014.06.02 Monday

      メス犬 膣の巨大腫瘍 膣平滑筋腫 排便困難

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         ある日の朝、保護した犬・猫の里親探しなどをされているなじみの患者さんからの1本の電話が。
        「朝からすいません!!大変な犬がいるんですけど連れて行っていいですか?」

        連れてこられた子は、ほとんど動く気力もなくぐったり0口0

        くるまれていたタオルをめくって、全体の状況をみてみると更にビックリ
        外陰部からとんでもないものが顔を出しており、肛門を押しのけるように会陰部全体がとてつもない大きさになっていましたガーンネコ



        保護してくれた患者さんとも相談し、リスクは非常に高いですが
        「とにかくこの大きなものをどうにかしないことには今後はない」と判断、手術に踏み切りました。
        ただし、私自身も何者なのかある程度予測はできたものの、実際はやってみないとわからない状態でした。

        手術すること1時間半…。
        血圧の低下があり緊急に薬を投与したりと麻酔管理も決して楽ではなかったですが、
        完全に摘出することができ、大急ぎで縫合を終わらせなんとか全てが無事に終了うれCネコ

        病理検査の結果は「平滑筋腫」。
        基本的には良性に分類される腫瘍です。避妊手術をしておくことで防ぐこともできます。
        ここまで大きいのはみたことがないですが、膣の筋肉層から発生する腫瘍で
        飼い主さんも気づかないうちに大きく育ってしまうこともしばしばあります。
        大きくなることで周辺の臓器を圧迫し、おしっこが出づらくなったり・便が出づらくなったりすることもあります。
        この子も、おそらく排便困難があったでしょう。

        まあ、とりあえず一山は超えて日に日に元気になってはきたのですが。。。
        当初、飢餓状態で手術したため傷はくっつかないは、
        くすぶっていたであろう子宮蓄膿症は発症するはで(血液中のタンパクが上昇してきたところで2回目の手術を実施)
        山あり谷あり・・・

        それでもなんとかすべてクリア!!何しろこの子自体がよくがんばりました!!!
        12日間入院して無事に帰宅、後は通院でどうにかなりそうですあひゃネコ

        平滑筋腫・・・良性といえども侮れない腫瘍です。

        追伸
        今回いろいろとご心配していただいた方がたくさんいらっしゃると伺っています。
        この子にかわって感謝します。
        元気になりましたので、優しい里親さんが見つかってくれることを願います。

        おおくぼ動物病院 www.okubo-vet.com
         
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