2015.06.07 Sunday
犬 心タンポナーデ・心嚢液貯留 僧帽弁閉鎖不全症
ある日の夜、急患の電話が一本はいりました。
普段から、急患と言っても電話のみで終わることもあるため、とりあえず今の状況を伺うと
「他の病院で心臓が悪いと言われてまして、しかもここ一週間で元気がないんです・・・」
これは、診ないとダメです!!
「では、お待ちしています」と待つこと10分。
今までの治療やこれまでの経緯を伺い、診察、そのまま血液検査と胸部レントゲンの撮影。
心臓はとんでもないことになっていました・・・
胸腔内いっぱいの心臓!!!
ただし、とうのRちゃんは元気はないものの緊急性はない様子。
夜間の診察でしたのでこれからスタッフ全員集めるのも難しく、
明日朝一番で心臓の精査をお約束し、できる限りの治療をして一晩様子を見ることに。
翌朝、心臓のエコー検査をしてみると・・・やっぱり!
心臓(心筋)はその周囲を心嚢膜(しんのうまく)という膜で包まれています。
レントゲンなどで一般的に見えている心臓は、心嚢膜に包まれた心筋を見ています。
その心嚢膜と心臓(心筋)の間に液体が貯まってしまうことを心嚢液貯留と言います。
心嚢液が貯留してしまうと圧迫のため心臓がうまく動かなくなってしまいます。
このような状態を「心タンポナーデ」と言います。
犬の場合、原因は心臓に発生する腫瘍などが一般的ですが、特発性といって原因が分からないもののあります。
いずれにせよ、とにかくこの心嚢液を抜いてあげないと始まりません。
「心嚢穿刺」・・・
心嚢膜に針を刺して心嚢液を抜きます!!心臓めがけて針を刺します!!!
なんか、テンション上げてる感じですが・・・
動かれてはいけないので鎮静剤を投与します、局所麻酔も併用します。
忘れた頃にやってくるこの病気、とても緊張する処置です。
結局、血様の液体が約60ml。
きれいにほぼ抜けて。心電図・血圧ともに良好。
追加で行った心嚢液や諸々の検査では、腫瘍ではなく特発性の貯留を疑う所見でした。
これで、とりあえず一山超えた感じ
一週間後の胸部レントゲンでは、心臓は元のかたち??にもどって・・・
(実はもともとの心臓も僧帽弁閉鎖不全症が原因でかなり拡大しているのです)
あとは、この拡大した心臓をどうやってコントロールしていくか!
小型犬には多い、僧帽弁閉鎖不全症。
(心臓内の血液の逆流を防ぐ弁がちゃんと閉まらない病気、うっ血性心不全を起こします。)
どんな病院でも治療はしていますが、
軽度のものならまだしも、重度の症例は苦労します。
いかに肺水腫を出さないよう、壊れてきたポンプをいかに長持ちさせるか!!
肺水腫になった時は!・・・とにかく救命(昔よりいい薬があるので救命率は実感としてあがっています)
ポピュラーな病気ですが、反省と経験と最新の資料を元に治療しています。
奥が深いんです・・・
現在は数種類の薬を飲んでコントロールしています。
先日の来院では、「動きたくてしょうがないんです」と飼い主さんがおっしゃっていました。
高齢だし、この心臓だし、あまり激しいのはちょっとね
その後、腎不全も発症し2つの病気の治療中。
まあ、それでも元気いっぱい。
一日でも長く、この状態を続けられるようにサポートしていきます。
おおくぼ動物病院 www.okubo-vet.com
普段から、急患と言っても電話のみで終わることもあるため、とりあえず今の状況を伺うと
「他の病院で心臓が悪いと言われてまして、しかもここ一週間で元気がないんです・・・」
これは、診ないとダメです!!
「では、お待ちしています」と待つこと10分。
今までの治療やこれまでの経緯を伺い、診察、そのまま血液検査と胸部レントゲンの撮影。
心臓はとんでもないことになっていました・・・
胸腔内いっぱいの心臓!!!
ただし、とうのRちゃんは元気はないものの緊急性はない様子。
夜間の診察でしたのでこれからスタッフ全員集めるのも難しく、
明日朝一番で心臓の精査をお約束し、できる限りの治療をして一晩様子を見ることに。
翌朝、心臓のエコー検査をしてみると・・・やっぱり!
心臓(心筋)はその周囲を心嚢膜(しんのうまく)という膜で包まれています。
レントゲンなどで一般的に見えている心臓は、心嚢膜に包まれた心筋を見ています。
その心嚢膜と心臓(心筋)の間に液体が貯まってしまうことを心嚢液貯留と言います。
心嚢液が貯留してしまうと圧迫のため心臓がうまく動かなくなってしまいます。
このような状態を「心タンポナーデ」と言います。
犬の場合、原因は心臓に発生する腫瘍などが一般的ですが、特発性といって原因が分からないもののあります。
いずれにせよ、とにかくこの心嚢液を抜いてあげないと始まりません。
「心嚢穿刺」・・・
心嚢膜に針を刺して心嚢液を抜きます!!心臓めがけて針を刺します!!!
なんか、テンション上げてる感じですが・・・
動かれてはいけないので鎮静剤を投与します、局所麻酔も併用します。
忘れた頃にやってくるこの病気、とても緊張する処置です。
結局、血様の液体が約60ml。
きれいにほぼ抜けて。心電図・血圧ともに良好。
追加で行った心嚢液や諸々の検査では、腫瘍ではなく特発性の貯留を疑う所見でした。
これで、とりあえず一山超えた感じ
一週間後の胸部レントゲンでは、心臓は元のかたち??にもどって・・・
(実はもともとの心臓も僧帽弁閉鎖不全症が原因でかなり拡大しているのです)
あとは、この拡大した心臓をどうやってコントロールしていくか!
小型犬には多い、僧帽弁閉鎖不全症。
(心臓内の血液の逆流を防ぐ弁がちゃんと閉まらない病気、うっ血性心不全を起こします。)
どんな病院でも治療はしていますが、
軽度のものならまだしも、重度の症例は苦労します。
いかに肺水腫を出さないよう、壊れてきたポンプをいかに長持ちさせるか!!
肺水腫になった時は!・・・とにかく救命(昔よりいい薬があるので救命率は実感としてあがっています)
ポピュラーな病気ですが、反省と経験と最新の資料を元に治療しています。
奥が深いんです・・・
現在は数種類の薬を飲んでコントロールしています。
先日の来院では、「動きたくてしょうがないんです」と飼い主さんがおっしゃっていました。
高齢だし、この心臓だし、あまり激しいのはちょっとね
その後、腎不全も発症し2つの病気の治療中。
まあ、それでも元気いっぱい。
一日でも長く、この状態を続けられるようにサポートしていきます。
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