2019.03.31 Sunday

4月から再び研修医

0

    この4月から、

    1年間大学病院の研修医に戻ります。


    水曜日はいなくなることも多いと思いますので、皆さまご了承ください。


    恩師の退官に向けて最後のご奉公。正直、自分の病院もかなり忙しいので、どのくらい行けるか不安な部分もありますが…


    泌尿器と外科を習った5年間、その後自分の病院で実践すること4年間。

    「なんだあの時と変わってないな」なんて言われないように。

    経験して成長した姿も見せられるように頑張ってきます。


    おおくぼ動物病院 www.okubo-vet.com

    2019.03.29 Friday

    猫 尿管閉塞(尿管結石)水腎症 腎臓摘出手術

    0

      今回の子は、引っ掛け問題みたいな病態でした。

       

      毎年、健康診断を行なっている

      猫のMちゃん10歳。

      昨年の画像診断では、すでに左腎臓内に結石があることがわかっていました。

      結石はあっても、現在は問題を起こしていないのでとりあえずこれに関しては経過観察中。

       

      そんな、Mちゃん。

      1週間前から食欲がなくなったということで来院。

       

      もともとの病気がわかっていましたから、みんなで顔を合わせて一言。

      「検査しましょう!!」

       

      通常、このくらいの稟告(飼い主さんからの問診)でいきなり検査というのはあまりない事ですが。

      健康診断をして、状況がわかっているMちゃんの場合は、別です。

       

      まずは、エコー。

      腎臓の中身を見るには一番適してます。

      す、る、と・・・

      左腎臓.jpg

      左の腎臓はバッチリ水腎症。

      尿管を追っていくと・・・

      尿管.jpg

      矢印のところに、結石がこれまたバッチリと詰まってます。

      右の腎臓は・・・

      右腎臓.jpg

      大丈夫!!

       

      続けて行なっているレントゲン検査でも、左の尿管領域に結石の存在が確認できます。

       

      しかし、?血液検査では・・・

      BUN 32  Cre 2.2  SDMA 15

      まあちょっとは上がってるけど、全然平気。

      ?????

       

      いつもの、猫の尿管閉塞だと腎臓の値は思いっきり上がってるのに?

      Mちゃん、こんなに水腎症なのに上がってない。

      こんな程度の値で?食欲不振??

       

      なんかちょっとおかしな感じです。ただし、腎臓は見ての通りの尿管閉塞ー水腎症のパターン。

      うーん?????

       

      辻褄が合わないことも病気を見ているとよくあることですが、このパターンは初めて。

      とにかく通院治療して1日経過観察。

       

      翌日の検査では、状況変わらず(当たり前か)。

      「状況は変わらないので、とにかく1つずつ整理していきましょう」

      「明日、開腹して尿管にある結石の摘出をおこないます」とインフォームド

      飼い主さんも状況を理解していただき、手術スタートです。

       

      さあ、いつものように尿管へアプローチ。

      結石は??っと。っとぉ??????

      ありません、予想していたところから腎臓側に動いています。

      腎臓の出口の腎門部の結石って、一番摘出困難。

      腎門部では腎静脈の真隣に尿管が走行しています、その尿管を慎重に露出。

      パンパンに膨らんでる腎盂と尿管ならともかく、

      Mちゃんの結石も指では触れますが、切れません。

      切ってもいいけど相当危なっかしい。

       

      仕方がないので、術中に飼い主さんに電話連絡。

      腎瘻チューブで逃げることになりました。

      果たして、左腎臓が機能回復することで食欲は戻るのか??

      腎瘻チューブという積極的な方法ではっきりと把握できるはずです。

       

      が・・・・・

       

      術後、出ません。

      腎瘻チューブからおしっこ出ません。

      えーーーー!!!死んでるのこの腎臓!!!!!

      もちろん食欲もいまいちのまま。

       

      他に原因がありそうです(・_・;

       

      猫の食欲不振、一般血液検査でのってこない病気といえば・・・・・

       

      そう膵炎です。

      改めて、外注検査で確認すると上昇しています。

       

      「こんなことあるんだなあ。」先入観って注意しないといけないと改めて思いながら。

      結果、腎瘻チューブまで行ったからかなり正確な診断ができたことも事実。

       

      腎瘻チューブに関しては、過去には設置後4日目に排泄が始まった症例もいるので、

      4日間は待つことにして、保留。

       

      猫の膵炎は、とにかく食べさせることで治していきます。これはこれで、術後2日目から徐々に食べだして・・・良さそう。

       

      ただし、ここに来てさらなる問題。

      IHA(免疫介在性溶血性貧血)の併発!!!

      日に日に赤血球数が下がっていきます。

       

      と待つこと4日目、赤血球数もこれ以上待てないところまで来て、腎瘻からの排泄もない。

       

      改めて、飼い主さんとの話し合い。

      「腎瘻チューブを除去しただけでは、水腎症が残る可能性があります」

      「水腎症が残りIHAが継続した場合は、免疫抑制も必要になるため、膿腎症のリスクがさらに高くなります」

      「左の腎臓が機能していないことは明白なので、腎瘻チューブ除去と一緒に腎臓摘出をお勧めします」

      「そして摘出後は、軽度腎障害が残ると思います」

      なんだか、大掛かりなことになって来ましたが、これ以上は待てません。

      飼い主さんも「お願いします」の一言。

       

      腎瘻チューブ除去とともに腎臓摘出も行なって、無事に終了。

       

      腎瘻チューブ設置前に静脈性尿路造影(IVP)を行ってもよかったと思いますが、

      結石で閉塞して機能を止めていると増強されないこともあるため、最終的には今回行なった方法での診断的治療を説明するでしょう。

      ただ、犬ではこのような病態を経験していますが、猫でもあるなんて。

      っていうか、この年の猫で残された腎臓がこんなに機能してしてるなんて!!ちょっとびっくり。

       

      腎臓摘出後、翌日からモリモリ食べ始め、心配していた赤血球の壊れ方もほぼストップ。

      機能を廃絶した左の腎臓が悪さしてたのか??

      摘出して、ものすごく改善してるのですからそうとしか考えられませんが・・・

      当のMちゃんは、無事に退院もできて、抜糸の時にはすこぶる元気。

      心配していた腎障害も正常の上限〜極軽度。何もしないで経過観察で良さそうです。

       

      本当に、勉強になります。

      「ひっかけ問題」変にひっかかってドツボに嵌るなんてこと、自分では幸いありませんが時々みます。

      気をつけて、やるべきことを慎重に考えて。

       

      これからも、頑張りまーす。

       

      頑張りついでに、お知らせ。

      この4月から、大学病院に戻ります。

      水曜日はいないことも増えますので、よろしくお願いいたします。

       

      おおくぼ動物病院 www.okubo-vet.com

       

      2019.03.15 Friday

      ニコル、Aコッカーになる

      0

        モコモコの仔犬姿も良かったけど、どうにもこうにも、うすらデカイプードルにしかみられなかったニコル…


        トリミングに行ってコッカーカット

        なんか大人になった感じ

        生活態度はいたずら全開のままですけどね


        おおくぼ動物病院 www.okubo-vet.com

        2019.02.26 Tuesday

        犬の尿管閉塞 シュウ酸カルシウム結石 クッシング症候群 膀胱結石・尿道閉塞

        0

          この頃ウチの病院での流行り病は、

          「犬のシュウ酸カルシウム結石による、尿管閉塞」

          昔からありましたが、昨年くらいから猫の症例の合間に、診ることが多くなってきました。

           

          シュウ酸カルシウム結石といえば、

          Mシュナウザーやシーズーは出来やすい犬種として挙げられます。

          ただ、猫の場合とはちょっと違いますので、紹介します。

           

          さて今回は、以前からクッシング症候群の治療を行っているシーズーのIちゃん。

           

          言わずと知れた、犬のクッシング症候群。

           

          体内では、副腎という臓器から、ステロイドホルモンが分泌されています。

          体がストレスなどに対応するために欠かせないステロイドホルモン。

          クッシング症候群は、そんなステロイドホルモンが過剰に分泌されてしまう病気です。

           

          ステロイドが過剰に分泌されると、

          多飲多尿、多食、脱毛、傷がくっつきにくい、皮膚の石灰化、易感染性などの症状が出てきます。

          そしてその中の一つ病態として、カルシウム結石が出来やすくなります。

          (憎っくきあいつ・・・)

           

          そんな病気を持つIちゃん、最初は膀胱結石による尿道閉塞から始まりました。オス犬なので結石が尿道につまりおしっこが出にくくなってしまったのです。

          カテーテルで詰まった石を膀胱内へ押し戻し。

          っと一連の処置を行い。

          レントゲン検査では、膀胱内の結石はもちろん、腎臓内にも結石がしっかりと。

           

          飼い主さんは、「このままじゃまた詰まるから、先生どうにかしてあげられないかな?」って・・・

           

          そうはいってもクッシング症候群、正直なるべく切りたくない。でもな、う〜〜ん。

          「クッシングもコントロールできてるし、やってみますか!」

          通常ウチの病院で、膀胱切開の術後にカテーテルを膀胱内に留置しておくことはほぼありませんが、

          切った膀胱がくっつきにくいなんてことが起こると最悪なので、今回はしっかり留置。

          漏れないことも確認して。

           

          退院の朝。

          「良かったですね」「先生ありがとう」なんて会話の最後に。

          「腎臓内にも結石あるからね、落ちて詰まらないといいですね・・・」

          「でも、やりようがないからここはみんなで祈りましょう!!」

          って、頭を撫でて無事帰宅。

           

          の、2ヶ月後。

          なんだか調子が悪いってことで来院。

          検査してみると、今度は右の腎臓が水腎症、尿管でバッチリ結石が詰まっています。

           

          「俺があんなこと言っちゃったから詰まったのか」

          「あんなにお祈りしたのに」って神様を恨んでもはじまりませんが、恨みます。

          写真:矢印のところに結構大きな結石があります。

           

          元々、クッシング症候群から慢性の尿路感染症があるため、尿の流れが滞った事で、発熱を伴い、さらに状態が悪くなっています。

          ただ幸い、腎臓の数値は正常値。

           

          この状況普通なら、尿管切開によって結石の摘出も考えるところですが、

          相手は、Iちゃん。

          万が一うまくいかなかった時を考えて。(その時の後の展開は、本当に最悪なので)

          抗生物質で感染を抑えつつ数日経過をみることに。

           

          祈ること1週間

          結石動いてます!!エコーでも確認、水腎も縮んでる!!!

          抗生物質も効いて熱もコントロールでき、食欲も元気も出てきました。

          写真:結石、動いてます!!

           

          これならもう少し待ってみても良さそうです。

          そしてさらに強めにお祈り・・・

          写真:あー!!膀胱までもう少し!!!

           

          時間はかかりましたが、膀胱内へ無事に到着。

           

          実はこの後、落ちた結石が尿道に詰まり、もう一度膀胱切開しました。(その時は膀胱内に多数の結石が存在)

          が、尿管切るよりマシ。

          通常なら会陰尿道瘻の手術も検討したいのですが、肝心の会陰部の皮膚は石灰化。

          尿道粘膜つかなかったら・・・最悪です。

           

          今回の場合、結石は尿管を通過してくれましたが、結局膀胱切開は2回。

           

          そんなIちゃん、今でも調べれば、尿路感染症あると思いますが、ずっと抗生剤やって肝心な時に効かなくなっても困ります、長期的には、腎臓に負担がかかると思いますが…短期的には、経験的に尿の流れが滞る事がなければあまり問題が起きることもありません。

          菌に目くじら立ててもこういった病気の場合はイタチごっこ。

          SUBシステムなんてもってのほか。

          クッシングって本当に困った病気です

           

          が、クッシングを持っていなくても、尿管閉塞を起こした症例ももちろんいます。

          犬の場合、多発した結石を持ってると大なり小なり尿の慢性感染持っているケースがほとんど。プラスアルファの手が出せる感染の原因があれば、積極的に除去する様に対応していますが、猫とはやっぱりちょっと違うようです。

          その話は、また今度ゆっくりと。

           

          気が休まりません。

          困ったら相談してください。

           

          おおくぼ動物病院 www.okubo-vet.com

           

          2019.01.30 Wednesday

          老犬との暮らし 介護

          0

            最近は飼ってる環境も良くなって、与えるご飯も良くなって。

            ワンちゃんも15歳、16歳。

            更にはそれ以上。

             

            平均すれば12-13年が寿命というのは今でも変わらないと思いますが、

            昔と違って長生きしてくれることが本当に多くなりました。

             

            ただ、それは病気との付き合いも少なからず始まります。

            今週も16歳の子2件の腫瘍切除手術(下顎部分切除と乳腺腫瘍)が予定されており、ここ数年12歳以上の子たちの手術をする事がグッと増えてきています。

             

            くわえて問題になってくることが、痴呆や寝たきりなどによる介護。

            獣医になって20年以上。今までも多くの介護の子と飼い主さんに付き合ってきました。

             

            昼間のうちはぐっすり眠って、夜になるとワンワン鳴き叫ぶ。

            オシッコやウンチなどの排泄がうまくいかない。

            部屋中徘徊して、部屋の角でバックできずじっとしてる。

            抱っこしてないと落ち着かない。

             

            などなど…

             

            飼い主さんはどうしたら良いのか分からなくなり、相談にいらっしゃいます。

             

            そんな時最初に伝えることは、

             

            「介護する時、ワンちゃんの100%の希望を叶えてあげようなんて、頑張らなくて良いですよ、60%位でいいと思います(^-^)」

             

            「それをずっとやってあげられる人ならもちろん素晴らしいことですけど、私も含めてそんなことしてたら保ちませんから」

             

            「介護してる飼い主さんが倒れたら、みんなが不幸せになっちゃいますからね」

             

            経験的にも飼い主さんたちは、もの凄く頑張ってしまいます。

            「こうしたらダメなんじゃないか」

            「こんな事するのはこの子の為に可哀想なんじゃないか」って…

            長年連れ添った大事なワンちゃんに対してそのように思うことはごく当たり前で、正しい事だと思います。

             

            が、我々も人間。厳しい長い日々が続くと、ふっと魔が差して「終わってくれないかな」と思ってしまう事も事実。とても悲しいことです。

             

            必要のない辛い思いは極力無くしてあげたいですし、なんとか、少しでも楽しい介護生活をおくってもらう為に、一緒になって考えます。

             

            そんな老犬との生活。

            先日、ご自身も20歳までワンちゃんを育てた経験を持つ当院の飼い主さんが、編集執筆を行った本が出版され、プレゼントしていただきました。

             

            ちなみに、私が直接飼い主さんと話したことや病院エントラスの写真など。ちょっぴり掲載していただいてます。

            待合室に置いておきますので、ご興味があればご覧下さい。

             

            病院も16年目、開院当初仔犬だった子たちもだいぶ天国に旅立ち寂しくなった傍ら、新しい仔犬達も来てくれて。ウチにも2代目の子が来て。

            病気のことは勿論、「犬との暮らし」をサポートしていく日々が続きます。

            色々な悩み、獣医師や病院スタッフに気軽に相談してください。ご紹介した本などにもヒントがあるかもしれません。

             

            犬に限らず、「動物との暮らし」楽しみましょう!!

             

            おおくぼ動物病院 www.okubo-vet.com

             

             

            Calendar
                  1
            2345678
            9101112131415
            16171819202122
            23242526272829
            30      
            << June 2019 >>
            Selected Entries
            Categories
            Archives
            Recent Comment
            Links
            Profile
            Search this site.
            Others
            Mobile
            qrcode
            Powered by
            30days Album
            無料ブログ作成サービス JUGEM