2019.04.30 Tuesday

猫の尿管閉塞 尿管炎による尿管狭窄 

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    かなりマニアックな話ですが、

    最近うちの病院の流行病は、尿管炎による尿管閉塞。

     

    根本的な原因は、腎臓内にできる結石が尿管を通過することによる炎症だと考えていますが、

    なぜか?猫は左右の尿管炎が同時に起こるケースが多い。

     

    結石が見事につまって閉塞しているのならわかりやすいのですが、

     

    突然。

    左右同時に。

    しかも尿管の全域に渡って起こる。

    そしてつまる、けど排尿もある(ちょっとは通っている)。

     

    厄介極まりない病気です。

     

    今回は、そんな尿管炎を患ったGちゃんの話です。

    最初の来院は、いつも懇意にさせていただいている先生のところからの紹介でした。

     

    「先生、腎臓ぶっ飛んじゃってる!!お願いして良い??」

    「良いですよ。連れてきてください」

    そんな会話もそこそこに、先生自らGちゃん連れて来院されました。

     

    早速検査してみると。

    BUN 124  Cre10.5  P8.6  しっかり腎障害。

     

    エコーでは。

    1.jpg

    左の腎臓は、萎縮し結石がある。水腎症にはなっていない様です。

    2.jpg

    右の腎臓は、こちらにも細かな結石はありそうですが、それ以外変化なし。

    3.jpg

    膀胱にも、尿は溜まってる。排尿もしっかりとありそうです。

     

    ????当のGちゃんは、少し元気はなさそうですが、ぐったりというわけでもない感じ。

    「とにかく、預かって点滴始めてみます」と先方の先生に伝え入院させることに。

     

    ケージに入れて、点滴開始。

    この猫、本当に食べないのかな?と思いご飯をあげてみると・・・

    「めっちゃ食べてる」「水もしっかり飲んでる」食欲あるんだ!?

     

    と、こうなると、???

    この血液の数字で、慢性腎障害(CKD:慢性腎臓病)であれば食べることはまずありません。

    しかし、画像診断では慢性腎臓病の様な感じ。。。。。

     

    ちょっと違いそう。

    ひょっとしたら、これ詰まってるんじゃない?!

    (あくまでも経験的な勘です)

     

    そして待つこと、24時間。

    もう一度エコー検査をしてみると。

    4.jpg

    5.jpg

    左の腎臓の周囲には液体が漏れ(よく経験する変化です)、出口の尿管は3mmに拡張。

    6.jpg

    7.jpg

    右の腎臓も、腎盂が軽度拡張して、尿管も1.5mm。

     

    やっぱり!!!勘は当たってました。

    入院した時は、脱水もあったので分からなかったのですが、

    点滴してプレッシャーかけたことで、流れが悪いことが判明しました。

     

    ただ、腎瘻チューブまで入れるほどの水腎症ではないので、こもまま点滴療法を続けます。

    まあ、Gちゃん。、しっかり食べてますし、数字は高いですがそんなに心配はいらないかな。

    なんて感じで数日。

     

    4日目には、しっかりと血液検査の数字も下がってくれて。

    BUN 23  Cre 2.6 P 4.5

    腎臓の形態も元に戻り。

    すこぶる調子は良さそうなので、早々に退院。

     

    ケアホームで飼われている子なので、おじいちゃんおばあちゃんと看護の方々の元へ帰っていきました。

    その後の再診でも、問題なし。

     

    次の検診は、1ヶ月後です。

     

     

    こんな、猫の尿管炎。

    最初にも書いたとおり、突然起こります。

    水腎症になる子とならない子。

    両側のことが多い気がしますが、もちろん片側のことも。

     

    バーンと水腎症になってくれれば、逆に腎瘻チューブも入れられるので回復は早いのかもしれませんが。

    そうじゃないケースは、内科管理で押していくしかなさそうです。

    今回みたいに、すんなり治ってくれれば良いのですが。

    全員がそうじゃない。

     

    何か特別な要因がからんでいるのかも?

    これからの経験と、症例集めと、同じ経験している先生方とのディスカッション。

    何か新しいことが分かると良いのですが、切に願います。

     

    おおくぼ動物病院 www.okubo-vet.com

     

    2019.04.21 Sunday

    GW診察時間のお知らせ

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      GW中の診察時間のお知らせ


      4/27(土)は通常の診察時間。


      5/1は水曜日の為休診、5/2も休診となります。


      その他の日は、祝日の診察時間です。

      10:00〜12:00の午前中のみ。


      急患への対応は可能な限り行います。

      皆さん休日をお楽しみください。


      おおくぼ動物病院

      2019.04.11 Thursday

      新しいスタッフが増えます

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        この4月から、新しく動物看護師が1名増えます。

         

        専門学校を卒業したばかりのピカピカ女子

        女子って…www

         

        私の歳からすると、娘でもおかしくないような年齢!(^^;)

        病院の平均年齢をグッと下げてくれてます。

         

        慣れないこともあり、ご迷惑をかけるかもしれませんが、ご理解のほどよろしくお願いします。

         

        おおくぼ動物病院 www.okubo-vet.com

        2019.03.31 Sunday

        4月から再び研修医

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          この4月から、

          1年間大学病院の研修医に戻ります。


          水曜日はいなくなることも多いと思いますので、皆さまご了承ください。


          恩師の退官に向けて最後のご奉公。正直、自分の病院もかなり忙しいので、どのくらい行けるか不安な部分もありますが…


          泌尿器と外科を習った5年間、その後自分の病院で実践すること4年間。

          「なんだあの時と変わってないな」なんて言われないように。

          経験して成長した姿も見せられるように頑張ってきます。


          おおくぼ動物病院 www.okubo-vet.com

          2019.03.29 Friday

          猫 尿管閉塞(尿管結石)水腎症 腎臓摘出手術

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            今回の子は、引っ掛け問題みたいな病態でした。

             

            毎年、健康診断を行なっている

            猫のMちゃん10歳。

            昨年の画像診断では、すでに左腎臓内に結石があることがわかっていました。

            結石はあっても、現在は問題を起こしていないのでとりあえずこれに関しては経過観察中。

             

            そんな、Mちゃん。

            1週間前から食欲がなくなったということで来院。

             

            もともとの病気がわかっていましたから、みんなで顔を合わせて一言。

            「検査しましょう!!」

             

            通常、このくらいの稟告(飼い主さんからの問診)でいきなり検査というのはあまりない事ですが。

            健康診断をして、状況がわかっているMちゃんの場合は、別です。

             

            まずは、エコー。

            腎臓の中身を見るには一番適してます。

            す、る、と・・・

            左腎臓.jpg

            左の腎臓はバッチリ水腎症。

            尿管を追っていくと・・・

            尿管.jpg

            矢印のところに、結石がこれまたバッチリと詰まってます。

            右の腎臓は・・・

            右腎臓.jpg

            大丈夫!!

             

            続けて行なっているレントゲン検査でも、左の尿管領域に結石の存在が確認できます。

             

            しかし、?血液検査では・・・

            BUN 32  Cre 2.2  SDMA 15

            まあちょっとは上がってるけど、全然平気。

            ?????

             

            いつもの、猫の尿管閉塞だと腎臓の値は思いっきり上がってるのに?

            Mちゃん、こんなに水腎症なのに上がってない。

            こんな程度の値で?食欲不振??

             

            なんかちょっとおかしな感じです。ただし、腎臓は見ての通りの尿管閉塞ー水腎症のパターン。

            うーん?????

             

            辻褄が合わないことも病気を見ているとよくあることですが、このパターンは初めて。

            とにかく通院治療して1日経過観察。

             

            翌日の検査では、状況変わらず(当たり前か)。

            「状況は変わらないので、とにかく1つずつ整理していきましょう」

            「明日、開腹して尿管にある結石の摘出をおこないます」とインフォームド

            飼い主さんも状況を理解していただき、手術スタートです。

             

            さあ、いつものように尿管へアプローチ。

            結石は??っと。っとぉ??????

            ありません、予想していたところから腎臓側に動いています。

            腎臓の出口の腎門部の結石って、一番摘出困難。

            腎門部では腎静脈の真隣に尿管が走行しています、その尿管を慎重に露出。

            パンパンに膨らんでる腎盂と尿管ならともかく、

            Mちゃんの結石も指では触れますが、切れません。

            切ってもいいけど相当危なっかしい。

             

            仕方がないので、術中に飼い主さんに電話連絡。

            腎瘻チューブで逃げることになりました。

            果たして、左腎臓が機能回復することで食欲は戻るのか??

            腎瘻チューブという積極的な方法ではっきりと把握できるはずです。

             

            が・・・・・

             

            術後、出ません。

            腎瘻チューブからおしっこ出ません。

            えーーーー!!!死んでるのこの腎臓!!!!!

            もちろん食欲もいまいちのまま。

             

            他に原因がありそうです(・_・;

             

            猫の食欲不振、一般血液検査でのってこない病気といえば・・・・・

             

            そう膵炎です。

            改めて、外注検査で確認すると上昇しています。

             

            「こんなことあるんだなあ。」先入観って注意しないといけないと改めて思いながら。

            結果、腎瘻チューブまで行ったからかなり正確な診断ができたことも事実。

             

            腎瘻チューブに関しては、過去には設置後4日目に排泄が始まった症例もいるので、

            4日間は待つことにして、保留。

             

            猫の膵炎は、とにかく食べさせることで治していきます。これはこれで、術後2日目から徐々に食べだして・・・良さそう。

             

            ただし、ここに来てさらなる問題。

            IHA(免疫介在性溶血性貧血)の併発!!!

            日に日に赤血球数が下がっていきます。

             

            と待つこと4日目、赤血球数もこれ以上待てないところまで来て、腎瘻からの排泄もない。

             

            改めて、飼い主さんとの話し合い。

            「腎瘻チューブを除去しただけでは、水腎症が残る可能性があります」

            「水腎症が残りIHAが継続した場合は、免疫抑制も必要になるため、膿腎症のリスクがさらに高くなります」

            「左の腎臓が機能していないことは明白なので、腎瘻チューブ除去と一緒に腎臓摘出をお勧めします」

            「そして摘出後は、軽度腎障害が残ると思います」

            なんだか、大掛かりなことになって来ましたが、これ以上は待てません。

            飼い主さんも「お願いします」の一言。

             

            腎瘻チューブ除去とともに腎臓摘出も行なって、無事に終了。

             

            腎瘻チューブ設置前に静脈性尿路造影(IVP)を行ってもよかったと思いますが、

            結石で閉塞して機能を止めていると増強されないこともあるため、最終的には今回行なった方法での診断的治療を説明するでしょう。

            ただ、犬ではこのような病態を経験していますが、猫でもあるなんて。

            っていうか、この年の猫で残された腎臓がこんなに機能してしてるなんて!!ちょっとびっくり。

             

            腎臓摘出後、翌日からモリモリ食べ始め、心配していた赤血球の壊れ方もほぼストップ。

            機能を廃絶した左の腎臓が悪さしてたのか??

            摘出して、ものすごく改善してるのですからそうとしか考えられませんが・・・

            当のMちゃんは、無事に退院もできて、抜糸の時にはすこぶる元気。

            心配していた腎障害も正常の上限〜極軽度。何もしないで経過観察で良さそうです。

             

            本当に、勉強になります。

            「ひっかけ問題」変にひっかかってドツボに嵌るなんてこと、自分では幸いありませんが時々みます。

            気をつけて、やるべきことを慎重に考えて。

             

            これからも、頑張りまーす。

             

            頑張りついでに、お知らせ。

            この4月から、大学病院に戻ります。

            水曜日はいないことも増えますので、よろしくお願いいたします。

             

            おおくぼ動物病院 www.okubo-vet.com

             

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